(残暑の木陰・楡崎)
ヤード規制
15年以上前からになりますが、街道沿いで、鉄板で囲いをした、ヤードと言われる業者が増えて来ました。近年では、金属価格の高騰もあり激増と言っても良い状況にあります。そもそも法体系ではどうなっているのか、簡単に見ておきたいと思います。
有価物と廃棄物
入り口で大きく分かれます。廃棄物は所謂産廃です。これは、取り扱いを全面的に禁止し、許可業者のみ扱えるという位置づけです。かつては大規模な不法投棄などもあり、罰則も極めて厳しい内容となっています。ここでの有価物は、その名の通り、買ってもらえる不要品です。
廃棄物と専ら物
これが分かりにくい所ですが、廃棄物(処分費が掛かる)の中でも、金属くず、古紙、空きビン、古繊維は、再生資源として利用する限りに於いて、産廃(一廃)の許可が無くても取り扱っていいとする特例条項です。これらは、法の制定以前からリユース、リサイクルの流れが出来ており、逆に規制してしまうと資源再生の流れが阻害されてしまう為、除外されています。 さて、鉄スクラップに関しては、(社)日本鉄リサイクル工業会という全国組織があり弊社も加盟しています。全国で約700社が正会員として加盟しています。鉄の業界は、高炉をトップに電炉、製鋼原料業者とピラミッド構造になっており、監督官庁は経済産業省となっております。
さて、それではヤードとはどの様な存在なのでしょうか?法的には、専ら再生物と有価物のみを扱う為、許可は不要です。その為、廃棄物を監督する県の目も届かず、野放図の状態にあります。ヤードは主に敷き鉄板を引き、簡易な壁で囲っただけですから、土壌汚染はもとより、倒壊寸前まで広がった壁など、多くの問題が報じられています。また、盗難品の受け皿になっているとの指摘もあります。ここに漸く規制が入る事が先月の埼玉県議会で決まりました。「埼玉県特定再生資源屋外保管業に関する規制条例」がそれに当たります。屋外で金属、プラスチックを保管したり、加工したりする場合には、許可を得なくてはなりません。これには、弊社の様な、産業廃棄物中間処理業を取得している業者も対象となり、広く規制が掛かる事になります。弊社でも屋外に保管しているものもあり、保管場所として申請が必要ですが、大半が鉄コンテナでの保管ですので、建物を建築する等、大きな見直しは不要かと考えています。細則が来年1月頃になりそうだとの事ですので、引き続き県と相談をしながら申請を進めて行きたいと考えています。
一方で、ヤード業者ですが、恐らく対応するとなると、大規模な投資が必要だと思われます。これまでが杜撰な状況でしたので、当然と言えば当然なのですが、本当に対応しようとするのか、やや疑問です。第一に県が有効な調査、指導が出来るのか否かが問題です。ヤード業者は、外国籍の経営者の所も多く、通訳など言葉の問題があります。また、罰金だけ払えばいいといった話もある様です。そうなると根本的な解決には程遠い状況となります。平成29年に制定された自動車リサイクル法では、多くの業者が廃業になりました。当時の自動車解体は、極めて粗雑でしたので、当然なのですが、今回もこの位徹底して行わなければ、許可業者だけが苦労をして、ヤード業者はそのままとなりかねません。
鉄リサイクル業界は、加工設備を自ら工夫して製作するなど自由闊達な業界でしたが、専ら物条項もあり、自身に甘かったとも言えます。産廃業界では、法の縛りが厳しい反面、ヤード業者などは参入できない状況にあります。これを好機と捉え、当業界も矜持を持って襟を正すべきだと思います。