(初夏ももうすぐ:韮崎)
スクラップ高原相場
資源の高止まりが続いています。これは、海外勢の買いが強い事に起因しています。足元では横ばいとなっており、輸出市況は天井感が出てきています。しかし、大きく下落する事は無いのではないかと、予測しています。理由の一つは、Co2対策です。鉄鉱石と石炭から鉄を作ると大量のCo2が出ます。高炉では、水素を使った方法など研究を進めていますが、導入には数兆円掛かるようで、すぐには進みません。一方で、鉄スクラップを電炉で溶解する方法では、Co2があまり出ないので、世界的に製鋼方法の見直しが進んでいます。もう一つの理由は、世界経済の成長にあります。IMFの予測では、2022年の成長率は、4.4%とやや減速見込みですが、、、
GDP比較 (IMF)
| 2021 | 2022 | 2023 | |
| 世界 | 5.9 | 4.4 | 3.8 |
| 米国 | 5.4 | 4.0 | 2.6 |
| 欧州 | 5.2 | 3.9 | 2.5 |
| 日本 | 1.6 | 3.8 | 1.8 |
実は、この数字以上に、日本と比較して世界が成長している数字が、インフレ率で見て取れます。インフレとは、物の値段が上がっていく事です。物の値段が上がる理由は、主として需給に依ります。我々の身の回りでは、デフレマインドが蔓延していますが、世界的には、景気回復により需要が供給を上回っています。
インフレ率 (OECD)
| 2019 | 2020 | 2021 | |
| 世界 | 2.07 | 1.37 | 3.99 |
| 米国 | 1.81 | 1.23 | 4.70 |
| 欧州 | 1.2 | 0.3 | 1.1 |
| 日本 | 0.47 | -0.03 | -0.17 |
冒頭で、海外勢の買いによって高止まりしていると書きましたが、新型コロナからほほ脱却(日常化)している世界経済は、回り始めているという事だと思われます。朝のニュースでニューヨークの映像を見てもマスクをしている人は僅かしかいません。病気の毒性を相対的な社会的リスクの中で見れば、インフルエンザ程度であり、経済を止める理由にはなりません。世界の人々は、合理的な判断を下していると思えます。
回り始めた世界経済は、需要が強く、多少の上げ下げはありながらも、資源価格は、高原相場を維持するのではないかと思われます。そして、スクラップは先行指標です。製品価格の値上げは当面続くと思われます。
投資
新型コロナウイルス感染症対応資金、多くの企業が融資を受けたものですが、どうなっているでしょうか?そのまま当座に寝かしている企業も多いのではないかと思います。地元で有名な税理士の方が、投資に回すべきだと仰っていましたが、もし経営が苦しくないのなら、そうすべきです。日本の設備投資は、1990年を100とすると2018年では84.7まで下がっているそうです。
一方で米国は、338.3だそうです。B/Sの左側を見ると現金から土地などの資産が記載されていますが、この現金以外の部分が、利益の源泉です。土地・設備を運用する事で、商いを行い利益を得ていくのです。設備は減価償却で減っていきます。
つまり利益の源泉が減るのです。企業は投資し続ける事でしか生きていけないのです。経営者は、既存事業の賞味期限を見つめながら、時には新規事業に取り組まなくてはなりません。現状維持は、事業の期限切れ、もしくは資産の陳腐化による衰退です。創意と工夫勇気と情熱を以て、未来に向けリスクテイクしていくのが、経営者の務めではないでしょうか。