リサイクル通信

2021年12月221号】

鉄スクラップと製品 / 新型コロナと未来

弊社も三ケ島の地に移転して、早20年となりました。お陰様で本社工場のリニューアルを無事終える事が出来ました。

鉄スクラップと製品

今年も、いよいよ後半月を残すのみとなりました。今年の鉄スクラップは、「上げ」の一言だと思います。年初から1月末に向け下がりましたが、ここを底に反転し、現在では約2倍近いレンジにあります。価格改定も多い年でした。例年ですと50回程度ですが、既に70回を超えております。スクラップの多く発生する工場様などでは、雑収入が大きく増えたとの事でした。

価格が高いのは一見良いようですが、スクラップは先行指標と言われております。今後、製品価格などが上昇していく事は、間違いない様に思います。原油なども高値にあり、企業物価指数は9%程度アップしていますが、最終製品はそこまでではありません。消費者物価指数の伸びは、ほぼゼロです。この状況が長期化すると企業の体力を徐々に奪っていくことになります。政府は、賃金の上昇をと唱えていますが、粗利の減っていく中小企業では、なかなか難しいのではないでしょうか。会社経営の難しい局面が、来年には来るのかもしれません。

新型コロナと未来

新型コロナの発生から早くも2年が過ぎようとしています。変異を繰り返す中で、感染力は高まる傾向にありながらも、毒性は低減している様に感じています。ウイルス自身も宿主が死んでは生きていけませんので、宿主のダメージを最小限にしつつ、増殖していく道を選んだ(?)のは、自然の摂理に適っている様にも感じられます。

一方で、企業ではこの変異が進んでいない様に感じています。上場企業に於いては、株主資本主義が過度に進み過ぎた様に思えます。設備投資や研究開発などよりも、配当金や、自社株買いによる株価対策など、本来は残渣対策とも言える部分が主になっている様に思えます。元来、有限責任しかない株主への配当は、残さの利益によるものであったはずです。

資本主義の原点である国富論(アダムスミス)は、「諸国民の富の本質とその原因に関する研究」がフルタイトルです。国王だけではなく、全ての人々が、日常必需品と便益品(必需品ではないが、誰もが持っているもの)をごく普通に手に出来る社会こそ、豊かな社会であると述べています。ここが資本主義、市場主義の源流であるならば、現在の過度に株主に報いる経営は見直されるべきでしょう。中小企業に於いては、過度な株主対策は必要ないかもしれません。それにしては新規事業への取り組みが弱い様に思えます。確かに新規事業はリスクも高いし、失敗する可能性もあります。しかし、産業には、寿命があります。導入、成長、成熟、衰退のプロセスを経ていきますが、今の事業にのみ注力していれば、この流れの通り、企業は衰退していきます。だからこそ、新規事業に軸足を移していく必要があります。現在、社会全体が、新型コロナによってフリーズしています。しかし、それでも経営者は、新規事業に取り組まなくてはなりません。そもそも、ゼロリスクなどありません。自動車の運転にしても事故のリスクはゼロではありません。新型コロナ、経済状況なども与件として考え、「どうやったら出来るか」を考えるのが経営者の使命です。自社のミッション、パーパスを見つめ直し、未来に向けリスクテイクしていく姿勢こそ、今、最も求められているのでは無いでしょうか。

来年が皆様にとりまして良い年であります様に。

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