資源高騰
最近、金属類の盗難をニュースでも時折目にする様になりました。確かに最近の相場はかなり高値にあります。鉄スクラップで見ると、直近の3年間でボトムだった2020年3月末から2.6倍になっています。今年で見ても、年初からでも12%のアップです。主な要因は、Co2対策です。国内メーカーもカーボンニュートラルに向け、対策を始めています。
国内鉄鋼業の排出するCo2は日本全体の14%、産業部門の40%を占めるとの事です。主に高炉では、鉄鉱石を石炭で還元していくので、大量のCo2が出ます。最近になって、水素還元法などの研究も始めるとニュースもありましたが、開発費で0.5兆円、生産設備で4~5兆円との試算もあり、同時に時間も掛かります。そこで、手っ取り早いのが、スクラップを再溶解して製品を作る電炉法による生産です。高炉に於いても、還元した鉄をLFという調整炉に入れて成分調整を行いますが、ここでスクラップの投入が可能です。従来から行われている方法ですが、品質のいいスクラップに限定されてしまいます。その為、新たに電炉を設備し、下級品種なども、高炉メーカーとしては、活用して行くようです。
これを、政府主導で強力にすすめているのが、中国です。既に製鋼量としては、10億トンと日本の10倍の規模ですが、9割が高炉法による製鋼です。これを大幅に削減する様に政府が進めています。中国は、昨年までスクラップの輸入を禁止していましたが、今年に入り解禁しており、日本からの輸出も大幅に増えています。また、上級品志向にあり、最近では新断(薄鉄板の打ち抜き端材)や、HS(H型鋼の短尺、厚鉄板の端材など)と一般的な鉄スクラップとの格差が開いていく方向にあります。高炉などの使用量が増えていく事などを勘案するとこの傾向は続くものと思われます。また、国内だけでなく、中国など海外に於いてもCo2対策は喫緊の課題であり、株主対応だけではなく、ESG投資などが伸びている事など鑑みると、当面は、高原相場、上級志向の傾向が続くものと推察されます。
新型コロナとリスク
新型コロナがニュースになってから、もう少しで2年になります。最近に限りませんが、ニュースなどの報道、政府による発表を見ていて、科学的なエビデンスに基づいているのか疑問に感じています。感染とは、ウイルスが人から人へと移る物理現象です。Aさんがウイルスを保持しており、これがBさんに移転し、体内に入り増殖し発症する流れです。移転を抑止する、体内に入るのを抑止する、増殖するのを抑止すると3つのポイントがあります。ワクチンはこの3番目に対し、効果が期待されています。
2番目は、手洗い、うがいとマスクですが、皮膚からの侵入は無いので、目、鼻、口など粘膜からの侵入です。マスクは触らないという意味で一定の効果があると思います。この1番目が人流抑制ですが、確かにAさんが移動しなければ、感染は広がりません。しかし、それでは、社会活動が成り立たちません。社会は一定のリスクを抱擁しながら回っています。相対的なリスクを明示し、多数の容認を得て進めて行くのが政治の役割です。安全・安心とは、科学と気持ちの橋渡しです。ゼロリスクなど世の中にはありません。本来は微小な事が過大に語られたりしています。エビデンスに基づくリスク度合いから、相対と絶対値を見て、大局的に判断していく事が肝要かと思います。