国際流通の変化
関東圏に於ける鉄スクラップの発生量は、月間で約70万トン弱ですが、約45%が輸出に流れています。鉄スクラップの主要な需要家は、電気炉メーカーで、主に建築用の鉄筋を製造しています。しかし、建築需要の低迷、鉄筋コンクリート造から鉄骨造への市場変化などにより、生産量は減少傾向にあります。一方で、鉄スクラップは、毎年、一定量は発生しています。これは鉄鋼備蓄量(建物で使われている鉄類や、機械、自動車などに使われている鉄の総量)の一定割合がスクラップとして、毎年発生する事が統計的に明らかになっています。その為、関東地区では域内で消費しきれず、域外へ搬出しています。国内向けでは、関西方面などへの移送もあるのですが、現在の主力は輸出となっています。主な輸出先として、韓国、ベトナム、台湾、バングラディッシュで、以前は韓国向けがトップでした。しかし、昨年12月に韓国とベトナムが入れ替わり、今年に入ってから、その傾向は強まる方向にあります。
要因は、経済成長にあると考えられます。それでは、各国の各種統計を比較してみましょう。
| 国名 | GDP成長率 | GDP(百万US) |
| バングラディッシュ | 7.88% | 807,200 |
| ベトナム | 7.02% | 807,817 |
| 台湾 | 2.71% | 1,347,011 |
| 韓国 | 2.03% | 2,224,985 |
| 日本 | 0.65% | 5,459,155 |
| 国名 | 人口(千人) | 平均年齢 |
| バングラディッシュ | 164,877 | 27.9 |
| ベトナム | 94,575 | 31.9 |
| 台湾 | 23,589 | 42.3 |
| 韓国 | 51,635 | 43.2 |
| 日本 | 126,495 | 47.7 |
(引用IMF2018-2019,世銀2019、CIA2020)
GDPの成長率が7%台の2か国は、平均年齢が30才位と非常に若く、2%台には、40才前半の2か国となっています。日本は、やはり高齢化が進んでいる分、成長率は停滞といっていい状態です。
さて、主要輸出先が、南方に移っていく為、どうしてもフレートは高くなってしまいます。その為、以前は4000tクラスが標準であった船も万トン単位へと移行しています。バングラディッシュの様な遠方まで出荷出来るのも、輸出体制が整いつつある表れなのかもしれません。
コロナ禍
今年に入って、新型コロナが発生し、今夏もその話題一色です。最近では、新聞などでも「コロナ禍」という表現を多く見かけます。この表現の変化に、意味がある様に感じています。
統計からみる限りでは、それ程死者数が多いわけではありません。検査数の増加に伴って感染者も増えていますが、この分母に当たる検査対象者は、特定の業種であったり、陽性者の周りなどと偏っています。日本全体といった母集団を推計するには、脆弱です。
元来、我々は日常生活に於いて、社会的リスク許容度といったものを持っていると思います。インフルエンザが流行しても、社会活動は停止しませんし、交通事故があると分かっていても、自動車などを使います。航空機なども同じでしょう。それは、利便性とリスクを天秤にかけ、そのリスクを許容しているからだと思います。一方で、新型コロナは、そのウイルスの持つ毒性から考えると、社会のリスク許容範囲内だと思えます。
それでは、なぜコロナ禍なのか?
その理由の一つに、日本人が持つ、村意識がある様に思えます。災害などの際には、お互いが助け合うといった良い面が出てくるのですが、今回の場合には、村八分であったり、魔女狩りの様な排除の意識が強く出ています。自粛警察などは、独善的な正義感によるもので、要は違法な他人の権利侵害です。しかし、村社会であるがゆえに、コロナが出たら、周囲から迫害されるかも知れないといった心理が働き、不本意な自粛をしたり、或いは、コロナが出ても黙ってやり過ごすなど水面下に潜る事になるのではないでしょうか?本来ならば、自粛など必要なく、慎重に対策を行った上で、営業をすればいいだけの事です。コロナ禍の「禍」は、正に日本人の村意識が過度な魔女狩りとして表れ、それを恐れ、経済が停滞する。つまり、病としてではなく、村意識が招く「禍」なのかもしれません。「安全」は科学であり、「安心」は気分です。混同せず、事実を見つめる様、心がけたいと思います。