リサイクル通信

2020年4月200号】

スクラップ近況 / 新型コロナと企業経営

スクラップ近況

今年に入り、1月は大きな変化は見られなかったのですが、3月後半から加速的に世界情勢は悪化してきました。一方で、スクラップは景気の先行指標とも言われており、比較的早いタイミングで反応しています。鉄スクラップは、年初来下げ続けており、銅、アルミといった非鉄金属も下落しています。まだまだ底を打ったとは言えない状況にある事を鑑みると、少なくとも夏位までは期待できそうにありません。

先月には、JFEが高炉の廃止を発表し、4月には日本製鉄(旧新日鉄)が高炉2基の一時停止を発表しています。高炉で生産される製品は、薄板などが多く、主に自動車向けなどに利用されています。高炉の停止は、自動車などの製品の生産が低迷している表れであり、本来であれば連続生産が基本の高炉を止めるという事は、製品需要が長期に渡って低迷すると予測しているのだと思われます。4-6月のアルミのジャパンプレミアムも82ドルと下がりました。これは、日本の商社などが、海外のアルミ精錬メーカーとの交渉で使用する上乗せ分ですが、下がったという事は、それだけ需要が少ないという事です。こうした、各種指標、状況を見てもスクラップマーケットは、軟調に推移する事が予測されており、先行指標として考えれば、世界経済は当面回復しないという事が予測されます。

新型コロナと企業経営

新型コロナが猛威を振るっています。毒性は比較的低く、感染力は強い厄介なウイルスだと言えると思います。毒性が強く、短期間に悪化するのであれば、隔離措置なども早期に取れるのですが、それが難しい故に感染が拡大しています。マスクなどの衛生用品なども不足しています。トイレットペーパーなども不足するなどの情報により、買い占めなどが起きています。こうした状況を見ていると3.11の時を思い出します。当時、ガソリンが不足気味で、ガソリンスタンドに列が出来ました。

しかし、よくよく見てみると、タンク半分で入れに来たりと、普段ならまだ入れに行かない人なども並んでいました。一般的な日用品の消費リズムは、本来余り変わらないはずです。それが変調すると「不足」したりする事になります。マスクにしても紙マスクを並んで買っています。それも従来の何倍もの価格で。本当に必要なのでしょうか。 マーケット分析を行う際には、代替性、スイッチングコストなどを検討します。我々が求めているのは、商品ではなく、その商品によって得られる効用です。

同じ様な効用が得られるのであれば、他の商品でも構わないし、他用途向けの商品でも良いわけです。良く例に出されるのが、ドリルの話です。ホームセンターにドリルの刃を買いに来た人がいる。しかしこの人が、本当に求めているのは、穴なんだと。ドリルで無くても穴が開けられれば良いわけです。もしかしたら、ポンチでもいいかもしれませんし、ノミでもいいかもしれません。想像力を働かせて、柔らかく考える事が大切だと思います。何がなんでも、紙マスクと固定観念にとらわれるのではなく、代替性、反復利用なども考えれば、早朝からドラックストアに並ぶ必要はないと思えてなりません。

コロナ騒動では、不況業種が報道の対象ですが、酒屋さんなどは、今大繁盛です。スナック菓子のメーカーも増産体制です。でも一向に報道されません。人は、一般的に同じ確率でも、損をする方を避ける傾向にあります。損をする人を眺めて、自分は違うなどと思ったりします。残念ながらマスコミも商売ですから、より多くの人に受ける方向に流れます。こうした中、経営者は、少なくとも中立、出来ればプラス思考でいなければなりません。相対的な見方になりますが、自分より至らない人を見て、自らの位置に安心するのでは無く、より頑張っている人、成功している人を見て、自ら研鑽を積み、アップデートし高みを目指す、経営者はこうした思考を持ちたいものです。至らない人を見て、満足していても、自分は全く進歩しないのですから。

 約100年前、アンリーファルマン機が所沢の空を飛びました。木と布で出来た羽を持つ複葉機です。それからたった100年で、世界の航空路線は、7万便とも言われています。そして社会はそれを日常として受け止めています。それだけ技術の進歩のスピードは速く、社会は柔軟性をもって、新技術を取り込んでいくという事です。新型コロナは大きな事象ですが、可能な限りの予防策を講じながら、事業を継続し、新たなビジネスチャンスを模索し続ける胆力こそ、今求められているのではないでしょうか。

 

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