リサイクル通信

2019年11月195号】

妄想/量子コンピュータ-

・・晩秋を迎える高麗川/巾着田・・

 異常な暑さの夏と、秋になっての大型台風の到来と繰り返す豪雨。自然の猛威を見せつけた季節が過ぎ去り、やっと落ち着きを取り戻した晩秋。人々の穏やかな営みがもどってきました。

妄想/量子コンピュータ-

先月、グーグルが、現在のスーパーコンピューターの15億倍の性能をもつ量子コンピューターの開発に目処をつけたとの話題がネット上を駆け回りました。量子力学を応用したコンピューターということですが、そもそも量子力学なるものが、我々凡人には難解です。極ミクロの世界での粒子の振る舞いは、我々が学生時代学んだニュートン力学とは非なるものらしいのですが(ただ、究極的には難しい計算式を展開することで説明できるらしいが)、好奇心は掻き立てられます。私も以前好奇心にかられるままに、科学雑誌の「量子力学特集」や「量子力学の哲学入門」、「宇宙はもつれでできている」等々入門書的なものを数冊読み始めては挫折してしまうシロモノでした。日経10月26日朝刊の「春秋」欄にこんな記事が・・「自慢じゃないが本棚には量子論の一般向けの入門書が何冊も並んでいる。どれを読んでも途中で理解できなくなり、つぎつぎと易しそうなのを買い求めるせいだ。・・

光には粒子としての性格と、波動としての性格が・・あたりからつまずきが始まる・・」と。思わず苦笑してしまいました。優秀な日経新聞の記者も同じなのだと変に安心してしまいました。しかし、何がすごいかは、その性能を示す前述の数字から想像がつきます。これからすごいことが起こるだろうとの予感です。 例えば、身近なところでは経済予測。これは案外、簡単に精度の高いものを構築できる気がします。今でも各国政府統計機関等の経済予測の前に、リアルタイムでの船舶や車の動き等の物流の動き、また人の位置情報の変化や個別店舗での購買状況の変化、さらにはl衛星からの詳細な局地的なデータ、例えば石油コンビナートのストック状態や特定農作物の生育状況等が大まかに把握することができ、そのようなデータを投資家やその他の必要としている事業者に高い価格で売られていると聞きます。

これらは、個別データによる、個別事象の動向の分析ですが、同様の方法論で、すべての市場に影響を与える要因をマクロ的に吸上げ、量子コンピュータ―とAIの手に掛ければ、国家経済の、或いは世界経済のリアルタイムの動向を把握することが可能になることでしょう。更にそのようなリアルタイムの情報がネットワークに開放されれば、個人間、或いは組織間、或いは地域間の情報の偏在性がなくなり、経済の短期的変動はなくなってしまうかもしれません。

 さらにもっと妄想を膨らめると・。経済事象に限らず、世界中に生成するあらゆる事象、すなわち経済的事象・政治的事象・社会文化的事象、さらには自然環境事象を、また、同時に人の個人的活動レベルから企業活動レベル、さらには国家活動レベルに至るまでの天文学的な時間的/空間的情報を、オープン化されたネットワークで継続的に吸上げ、量子コンピューター&AIで、統計的処理を施すことで、膨大な相関関係の強弱が、瞬時にあぶり出されることが可能になるでしょう。地域や国家の変化の方向性、はたまたそれらが連鎖する世界の変化の方向性を、高い精度でもって予測できることになるのではと妄想してしまいます。

 さてさて、そうなると、とんでもないことが、可能になるのではと妄想は暴走します。例えば、・・・。地域紛争や戦争の勃発の兆候群を、(瞬時に)壮大な相関関係図から読み取ることが可能となり、さらには、それが起こった場合のダメージも高い精度でシュミレーションできるとなれば、ハンドリングのしかたによっては世界平和の維持機能として威力を発揮することになるかも知れません。

こんなことを考えだすと、人類は完全に神の領域に足を踏み込んでしまったのではないのかとの畏れを感じます。人類が神に近づく最初のできごとは、太古のある時代に火(火力)の取扱を習得したことですが、その瞬間から火の利用に光と闇を抱え込むことになりました。量子コンピューターとAIの結合という出事も、活用方法を巡って光の部分と闇の部分を併せ持つことになるでしょう。人類は神のみが使用するツールを持ちはじめた。しかしそのツールを使うのは全知全能の神ではなく人間であるということ。人間の人格が、神に近づくことができないとすれば、闇の部分をどのように人間の英知で制御できるか?人類は大きな課題と向き合わなければなりません。

 

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