廃プラスチックの行方
昨年、海洋プラスチックの問題が、大きくマスコミでも取り上げられ、プラスチック製ストローの使用自粛などがニュースになっていました。確かに1歩には違いありませんが、違和感をもってニュースを眺めていました。家庭や工場から廃棄されるプラスチックと比較すると余りにも微量に思えたのです。
日本の場合、廃棄物処理法によって、家庭から廃棄されるものは、市町村による処理であり、企業の生産活動から廃棄されたものは、産業廃棄物となり、民間の許可業者による処理となります。これは法によって厳格に区別されています。家庭から廃棄されるプラスチック類は、市町村によって処理方法が違いますが、東京都内などでは、可燃ごみとして、生ごみなどと一緒に回収、焼却されるケースが多い様です。埼玉では、ダイオキシン騒動により、焼却しにくい様で、埋立に回ったりしています。
もちろん、容器リサイクル法によって、再生プラとして再利用出来るものは、このルートになります。余談ですが、かつて所沢で大きな騒ぎとなったダイオキシン騒動で、プラスチックは燃やさない方向になりました。現在の燃焼炉は、高度に管理され、プラスチックを燃やしてもダイオキシンの発生は抑えられます。埼玉県内の自治体では、プラスチックを燃やす事に抵抗感がある様ですが、「目的」はダイオキシンを出さない事で、プラスチックを燃やさない事は、「手段」だったはずです。ダイオキシンを出さない為には、800℃以上の高温で燃焼させる必要があります。生ごみや紙類だけでこの温度を維持できるのでしょうか。
廃棄物の処理方法に於いて、焼却という方法は、殺菌、減容という意味で優れていると思います。一方で、Co2も発生する為、京都議定書の関係から、日本は難しい立ち位置にありますが、埋立するくらいなら燃やして発電と考えてしまいます。 さて、この廃プラスチックですが、昨年末で中国が廃プラスチックの輸入を禁止した為、一気に国内に還流しています。年間100万トンの廃プラスチックを輸出していたとのデータもあり、これだけの量を国内で処理することは極めて難しい問題です。
一方で、産業廃棄物に於いても同じ状況です。かつては、非鉄付スクラップ(雑品)として、年間160万トンが輸出されていたそうですが、この約20%がプラスチックだとすると、30万トンが国内に還流してきます。これらの雑品は、国内で解体処理、又は破砕機による処理などが始まっていますが、処理後の廃プラスチックの受け先が無く、既に滞留状態となっています。以前もリサイクル通信でお伝えしましたが、プラスチックの多い新規産廃案件は、受けられない状態にあります。
日本では、発電プラントを備えた焼却炉によるごみ発電を推進しています。一方で欧州では、マテリアルリサイクルを進めています。当然、製品の設計段階から、解体しやすい設計であったり、使用できる素材の種類を限定するなど製品に対する制約は、かなり進んでいると思われます。実際に色選別などは、欧州が進んでいます。日本に於いても、当面は、発電利用などサーマルリサイクルによる処理を一般、産廃共に進め、並行してマテリアルリサイクルへの技術開発を進めるしかないのではないでしょうか。現在の様に、遠方にある発電所から、延々と電気を送るより、地産地消の電力があれば、その方が良いのではないでしょうか。未だに単純焼却(ただ燃やすだけ)の焼却炉が各自治体に数多くあると思います。是非、排熱による発電設備を導入し、発電所として地域に貢献頂ければと願っております。また、余力があれば、処理費用を貰い、産廃を受け入れても良いのではないでしょうか。人口減少などにより焼却に余力のある自治体では、新たな収入として期待できるのではないかと思います。
ITとものづくり
最近、ITやAIなどといった企業が業績を伸ばしています。どこに貢献しているかと言えば、生産性の向上であったり、マーケットのターゲティング精度の向上などなど。
でも我々の生活には、物が必要です。自分の周りの物が、データで出来ているわけではありません。これらの物をより効率よく生産し、欲しがっている人を効率よく見つける為にITは役に立っています。つまり、どこまで行ってもものづくりはなくなりません。我々人間は、データではなく、やっぱり物体だからです。
所詮ITは補助ツールです。しかし、このツールを使いこなせない企業に未来は無いかもしれません。企業のアイデンティティとツールの意味を改めて問い直す良いチャンスかもしれません。