最近、生産性の向上という言葉を新聞等で目にする事が増えてきました。少子高齢化に伴い、就労可能者人口の減少が進む。しかし、経済を伸ばしていくには、生産性を上げる事で、補おうというものです。
確かに、(生産性)=(付加価値額)÷(労働力)で表され、(付加価値額)=(生産性)×(労働力)と変形出来ます。この(付加価値額)の総和がGDPとなります。労働力の減少を前提とすると確かに生産性を上げなくてはなりません。生産性を上げるとは、より少ない資源、労働の投入に対し、より多くの成果を得ようとするものです。今まで、2人で行っていたものを、1人で出来れば、生産性は、倍となります。或いは、半分の時間で同様の成果が得られれば、これも倍となります。簡単に倍とは行きませんが、少しでも効率良く生産したいという事になります。
そんな中、国際ロボット展なる展示会を見に行ってきました。ロボットに関する要素技術から、ロボットアームまで、様々な展示が行われておりました。その中で、流行はAIです。ロボットアームの腕自体は、鉄とモーターの組合せであり、これを如何に動かすかに焦点は移っています。ロボットに動作を教える作業をティーチングと言うそうですが、これがかなり難しい様です。そこで、この部分をカメラとAIを利用し、効率化しようという展示が多かった様に感じました。かごの中に、バラ積されたパーツの向きを判断し、それに合わせて決まった位置で掴むなどです。この動作自体は、人よりも遅いのですが、24時間働くとなると話は違ってきます。使う場所にも寄りますが、加工機へのセットなどでしたら、加工待ちがあるのですから、多少遅くても問題ないのでしょう。 一方で、ロボットアームの価格も下がってきています。可搬能力が100Kg程度で、500万円台でした。これには、標準のコントローラーが付いていますので、単純な作業や、重筋作業などにも使えます。
中小企業白書によると、直近20年の中小企業の正社員の平均賃金は、27.5~29.8万円との事です。500万円投資して、5年償却で考えれば、安い買い物かもしれません。もちろん、使う側にも能力が求められるでしょう。
最近「情弱」という言葉を耳にしました。情報弱者の略だそうです。社会的弱者などは、弱い立場にある人などを指しますが、情報弱者は、情報に弱い人、つまりITなどが苦手などインターネットの情報に十分にアクセス出来ない人などを指すようです。ここで、思い出したのが、阿久津左官さんです。2年程前に、企業視察で訪問した企業です。左官と言うと、モルタルなどで床や、壁を仕上げる仕事ですが、いわゆる職人の世界です。一昔前でしたら、職人と言えば見て覚える、ベテランの技を盗む、そうやって一人前になっていくといったイメージで、今でもそう言う会社も多いと思います。しかし、阿久津さんはiPadを活用して、新人を育成していました。ベテランの作業をiPadで録画し、繰り返し見せる事で、コツを学んでいくのです。
また、社内に練習場所も用意してあり、仕事が終わった後などに自由に使う事が出来ます。指導者が居なくても、iPadのビデオを見ながら練習する事が出来ます。その結果、新人の仕上がりが極めて速い。つまり、見習い期間が極めて短く、戦力となるのです。これが如何に企業にメリットをもたらすかは、述べるまでもないでしょう。iPadが高いと言っても、人件費と比べたらたかが知れています。現代の経営に於いては、経営者、管理職のITスキルが企業の成長をも左右するのかも知れません。学生時代に、ゼミの教授が、ボソッと「技術は時代のものだから」と言っていた事を思い出します。子供の時代に触れ合った技術は、その人には空気と同じようにあるのだ、という事でした。今の、小学生は、スマートフォンや、タブレットを自在に使いこなしています。それもごく自然に。彼らが大人に成る頃には、更に技術も進歩しているでしょうが、その進歩と共に成長していくという事でしょう。我々も、感度高く情報に接する事でITスキルを磨く事を心掛けたいものです。
今年も、大変お世話になりました。
また、このリサイクル通信にもお付き合い頂きまして感謝申し上げます。来年も皆様にとりまして良い年であることを心より祈念しております。