リサイクル通信

2017年5月165号】

鉄スクラップ

新緑が目に眩しく、清々しい風が吹くこの季節、皆様いかがお過ごしでしょうか?急に暑くなったり涼しくなったりする季節でもありますので、お体にはお気をつけください。 鉄相場ですが、予想していたより今年は早く、早い 電炉では3月末から下げ、関東の電炉を代表する東京製鐵においては、4月13日より下げと、例年と違い、各電炉の状況により下げ日が違うのも特徴だったと言えると思います。

又東京製鐵においては、下げ幅も¥7/kgと大きかったとも言えるでしょう。例年、ゴールデンウィーク後は下がるのですが、今年も例に漏れず、下がり続けていたのですが、ここに来て、一旦価格は反発しております。ただこれは、以前に契約していた高値の契約分の船積みを行っていた為、一時的にスクラップ量が必要になったことにより、値段を上げての取り合いを行っていた事が影響しています。その影響が地場電炉にも波及し、東京製鐵を含め価格を上げての対応となりました。ただここに来て、輸出向けの船積みも一段落してきた事から、港を中心に価格を下げ始めています。問題は、この先で、価格がどちらの方向に向かうかですが、基本ベースは、弱含み横這いかと思われます。

アジア地区は、スクラップに高値を出してまで購入する程の状況には無く、安ければ買うと言う状況にあります。又、私どもにとっては、衝撃と申しますか、ついに来たかと言う事柄が今月ありました。それは、東京製鐵の九州工場にて、中国産のスクラップ原料を購入したとの情報でした。既に九州工場での船からの荷下ろしは終わったものと思われ、その評価も、薄物ではありますが、使うには問題無いとのことでした。新聞に掲載された写真を私が見る限り、日本を含めて海外で出された雑品(非鉄付き解体鉄屑)を中国国内で手解体した鉄の部分である事が判ります。更に???と感じたのは、日本ならギロチン(切断機)を通して傘比重を上げるのに対し、この中国産は、ただ解体後の鉄の状態のままで出荷されていた事です。

予想以上に中国のスクラップ輸出が早く始まった背景には、中国では高炉が主体で、電炉が少なく、その為、鉄鉱石から製品やビレット(半製品)を作るのが主となっています。中国では、誘導炉にスクラップを溶解し、粗悪な鋼材である「地条鋼」を6月末迄に全廃する事を国で決めており、その影響で、中国国内でもスクラップが余剰となり輸出される様になってきました。今回、東京製鐵は、2船分の予定をしていたそうですが、中国側が、日本側の検収や、ダスト引き、価格面の問題から割に合わないと判断し、2船目は中止となった様です。中国側では、スクラップ輸出に対し、40%の関税をかけており輸出されにくい状況ではありますが、この先、中国国内でのスクラップ使用率が下がれば、中国でのスクラップ価格も下がると推測され、何処かのタイミングで関税をかれられても輸出先の価格が高く採算性が出てくれば、間違いなく輸出量は増えていくと思われます。

中国に限らず韓国もスクラップ自給率が上がってきている事から、近い将来輸出されると予想されていて、こうなりますと、次は何処に売っていく?(今の所有望はインドと言われていますが・・・)となり、そこに向け、各国が安値で売り競争をしていく事が想像できます。そう言う目で見てみますと、そんな遠くない未来において、スクラップの価値は下がり、今は、その入口に立ったとも言えるのではないでしょうか?唯一救いは、鉄スクラップは、基本先物市場では無く、需給バランスにて価格が形成されていく事です。それ故に、世界的に鉄スクラップ価格は、同じ様な価格帯に集約されてきています。

この先、中国のスクラップ輸出参戦で何処まで下がるのか?それとも予想外に影響は大きくないのかは、今後明らかになっていく事でしょう。ただ中国は、鉄鉱石から作ることによる自然破壊より、スクラップの使用率を上げて環境にやさしい循環システムを作り上げていく事が 、大国となった国の役目ではないのでしょうか?今後の中国の対応を注意深く見ていきたいと思います。中国国内の環境規制の中で、雑品が問題視されています。情報によりますと、雑品や雑線など多岐に渡り、これらの品種はほぼ中国向け輸出はできないのでは?となっているそうです。まだ調整はあると思われますが、これが事実としますと、輸出できなくなり、一部品種においては昔の様に処理費用が発生する懸念もあります。これらについても、今後中国の動向から目が離せそうにありません。詳細が判り次第、ご報告していきたいと思います。                    

コラム
ゴールデンウィークはいかがお過ごしだったでしょうか?私個人的には秩父にツーリングに行ったのですが、秩父の芝桜が見頃の為に、大渋滞にはまりました。その為、観光などできず、走るだけのツーリングで、仕事の方が良かったと感じた休日でした。

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