資源価格下落の一年
今年は、資源価格の下がり続けた一年でした。
鉄スクラップの場合、年初の価格の約55%にまでさがっています。銅、アルミは、77%にまで下落しています。理由は、中国経済の減速によるものです。現在、中国は、日本の国内生産を超える量の鉄を様々な形態で輸出しています。中国国内の景気減速に伴って、消費しきれない分を、安値で輸出しています。ビレット(丸棒などの半製品)は、輸出関税が掛かるのですが、微量の添加物を加えることで、関税を回避しています。
アルミなどは、ロンドンのLMEで決まる価格にジャパンプレミアムが加算されるのですが、年初400ドル以上だったプレミアム価格は7月頃、100ドル近辺まで一気に下がりました。この先も下げ続けるのか?というとやや小康状態にあり、このペースで下がる事は無いのではないかと思っています。中国も減速とはいえ、GDP500兆円規模の分母があります。同規模の日本経済が1~2%なのに対して、7%割れと言っても日本の3倍以上の成長を遂げようとしています。ニュースでは、中国経済の減速が大きく語られますが、冷静で、公平な視点で判断する必要があると思います。
仮に日本、中国のGDPが500兆円とした場合
中国 成長率6% 30兆円
日本 成長率2% 10兆円
と1年で20兆円の差が付きます。
中国経済が減速するといっても、高成長への期待といった、バイアスが剥がれただけで、実態に近い評価となったと考えれば、今後、大幅な資源価格の下落といった事態には、ならないのではないかと感じています。北米も落ち着きを取り戻し、欧州もギリシャ、難民などの問題を抱えながらも、2016年は欧州全体で2%の成長を見込んでいます。とはいえ、原油も50ドル程度であり、資源価格の上昇とまでは、なかなかいかないと思います。
経済成長と生産性
先程の話題でも経済成長の話が出ましたが、日本のGDPは、1995年に500兆円を超えました。しかし現在でも500兆円のままです。つまり、この20年の成長は、ゼロということになります。もし先進国の平均成長率である4%を維持していたら、現在のGDPは、900兆円との事。3%で750兆円と大学の教授が試算していました。毎年、僅かであっても成長する事で、複利で増えていくとこれ程までにちがってくるのです。
日本では、既に製造業の比率が3割であり、サービス業が7割となっています。サービス業とは、サービスの提供(労働)の対価として支払いが行われますが、そもそもの貨幣は、どこから生み出さて行くのでしょうか?製造業は、安価な原料からより高価な製品を生み出す事で貨幣を増やしています。しかし、サービス業は貨幣がサービスの提供(労働)に伴って、回っていくだけで、増える事はありません。AさんとBさんは、共にサービス業であり、この2人だけの社会を想定すると、お互いにサービスを提供する事で対価を得ますが、2人の間で貨幣が移動するだけで、増える事はありません。
さて、某自動車メーカーの不祥事で揺れるドイツですが、生産性は、日本の1.5倍。ドイツ人は、あまり残業などせず、決まった時間の中で結果を出そうと努力するそうです。日本は、周囲に遠慮して退社出来ずに残業という人が多い社会ですが、生産性という視点では、明らかに間違っています。
一方で、ベンチャー企業などでは、定時など関係なく猛烈に働く人が伸びています。価値観の違ったものを単純に比較しても仕方がありませんが、やはりパフォーマンスは、常に意識すべき視点だと思います。その上で、他の人以上に働く人が伸びていくのではないでしょうか。極めて当たり前の結論ですが、中々実践できないから、成長率がゼロという停滞に陥っています。
しかし、先程のAさんBさんの社会では、より生産性の高い方に貨幣がたまっていく事になります。日本経済が真に成長していくには、生産性の向上と価値(貨幣)を増大させる製造業の国内回帰、その為の輸出環境の整備などが急務かと思もわれます。
今年も大変お世話になりました。来年も皆様にとりまして良い年である事を心より御祈念申し上げます。
一年間、ありがとうございました。