(バンコク市内の街並み)
商社の鉄鋼部門統合
金属資源を取り扱う商社の合併が最近ありました。伊藤忠商事の金属部隊である、伊藤忠メタルズと住商鉄鋼販売が合併し、伊藤忠メタルズに一本化され、鉄鋼製品に於いては、伊藤忠丸紅テクノスチールに併合されました。過去に於いても、商社の鉄鋼部隊の合併は、数多くあります。2001 年 伊藤忠商事と丸紅の鉄鋼部門を統合し、伊藤忠丸紅テクノスチールが設立。2003 年 三菱商事と双日の鉄鋼部門を統合し、メタルワンが設立。2012 年 三井物産メタルズの製鋼原料部門を統合、2014 年には、建設鋼材なども移管し、三井物産メタルワン建材を設立。その他にも、多々ありますが、主要商社の間に於いて、鉄鋼部門の統合が進んでおります。
背景にあるのは、国内の鉄鋼需要の減少があります。製造業の海外移転については、改めて述べる事はありませんが、その工場に資材を納入していた商社は、少なくなったパイを多くのプレイヤーで分けていたのでは、食べていけません。一方で、海外に展開した企業に対し、資材の提供を円滑に行うためには、規模が欲しいという事では無いでしょうか。日本の粗鋼生産で見ると、2007 年の1 億2 千万から、1 億1 千万トンに減少しています。もっともその前年が1 億1 千6 百万トンですから、微減といえるかもしれません。
一方で世界の粗鋼生産は、2007 年の13 億トンから16 億トンと3 億トンの増加となっています。大きく伸ばしたのは、中国です。2007 年で5 億トンだった粗鋼生産は、2014 年では、8 億2 千万トンと世界の粗鋼生産の半分を占めるに至っています。7 年間で、日本3 国分を増やしています。世界の工場と言われ、数多くの製造業が進出した事も大きな要因かと思います。その中国が減速しています。GDP の成長率7%を目標としていましたが、実際には、5%程度とのシンクタンクのコメントが出ておりました。その一端が伺いしれる様に、中国からビレット(製鋼した中間製品)が安値で大量にアジア諸国に輸出されております。台湾、韓国、ベトナムなどのスクラップ市況は、6 月頃から下落しています。元々、夏場は、メーカーの夏期減産もあり需要が低迷する時期なのですが、今年は、安値ビレットの供給の煽りを受け、国際市況も例年以上に下がっている様です。
タイ訪問
先月、銀行主催の異業種交流の会にて、タイを訪問して来ました。軍事政権下であり、やや不安な面もありましたが、ホテルをバンコク中心部からずらす事で、リスクを低減しての実施となりました。もっとも、以前も、出張中にデモもあったのですが、中心部から少
しずれると、道路が混んでいる程度で目立った変化はありませんでした。基本的にタイのデモは穏やかに進むのですが、発砲などに発展したため、軍が乗り出した様です。
軍といってもタイの場合、国王の権威が強く、近衛兵といった色合いが濃い為、国王の意を受けてといった事かと思います。さて、今回は、味の素とJFE グループのコイルセンターを視察してきました。味の素は、タイの食文化に深く浸透している事が判り、意外な感じを受けました。しかし、当初は、まるで売れず、スーパーなどでの販促活動など地道な努力が実を結んで来ているとの事でした。現在、タイには、複数の工場を所有し、味の素から、コーヒー、インスタント食品まで多種多様に製品を製造し、タイ及び周辺国に於いて販売しているそうです。
一方で、JFE グループのコイルセンターですが、日本から輸入したコイルをスリッター加工しています。レムチャバン港の近くの工業団地にあり、周辺の自動車メーカーに鋼板を提供しています。主に、日系メーカーとの事ですが、フォードなど欧米のメーカーにも販売しているとの事でした。現在の工場は、既にフル操業状態であり、近い将来増築する為の用地も確保していました。昨年は、減税が切れた直後でしたが約190万台近い生産を行っており、成長が期待されます。