リサイクル通信

2014年3月127号】

大震災から3 年 / ゆ ら ぎ

(弘前城外堀の桜)


先月、2 月の大雪には、久しぶりに驚かされました。明けても暮れても雪かきで、身体全体が筋肉痛と化した人達も多かったではないでしょうか。雪害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。

昔はよく雪が降ったと、大正生まれの父から聞かされていましたが、その父が、今回の大雪は経験したことがないと呟いていました。3 月になり、気象庁は検討委員会を開き、異常気象との見解を発表しました。昨今言われている気候変動が季節全体のリズムを崩し始めているようです。しかしそうは言っても季節はしっかりと廻ってくる。有り難いですね。梅が咲き、次は桜の出番です。

大震災から3 年

3 月のこの時期には、ちょうど私が原稿を書く順番になっていることから、自然と大震災に思いを馳せることになります。3 年前のこの時期(たぶん大震災の翌日だったと記憶しています)、本稿を書いている時に、次々と津波による被災状況を伝えるニュースが飛び込んできたことを覚えています。

多くの人々の命が失われ、また失われつつあるという現在進行形の現実が、この日本の地の身近なところで起きているという強い衝撃。そして、そのニュースの衝撃が去ったあと、東京電力福島第一原発一号機の水素爆発が起きました。なにげない水蒸気の映像が映し出されその時の余りにも単純な風景。しかしその後、次々に明らかになる恐ろしい事実。3 年間の時が過ぎ、当事者でない多くの人達は、通常の忙しい生活の中で、ともすればこの時の衝撃の大きさにも拘わらず記憶が徐々に風化していく。

しかたないことかも知れませんが、そうさせないためにも、せめてこの時期には、あの衝撃を思い起こすと同時に、家族や友人や家を失い、それでも第一歩を踏み出した被災者の人達。また放射能汚染により未だに故郷に帰れない人達に思を馳せることは、私のように何もできない日本人にとっては、最低限の責務といえるでしょう。

ゆ ら ぎ

最近ここ数年の国際社会の出来事を繋いでみると、大きな動き(傾向・トレンド)というより、もっと大きな、何か世界史的な「ゆらぎ」、「うねり」みたいなものを感じます。(以下雑感)

(ゆらぎ:グローバル経済)

リーマンショック後の世界経済は、米国などによる大胆な金融緩和や、中国などの大規模な財政政策により、第二次大戦前のような世界恐慌に陥ることは避けられました。そしてその後、世界に溢れだしたお金が成長過程にある途上国を刺激し経済成長を促すといったプロセスを経て世界全体が成長期に入ったように思われました。しかし、その後の世界経済の動きをみてみると、EUに内包する南北問題の顕在化や米国の金融緩和縮小による途上国からのお金の流失と途上国の成長鈍化。過度に投資に依存した中国経済の成長の限界、すなわち供給過剰と経済の減速、そしてその過程で生まれた不透明な金融構造。このように、ここ数年の世界経済の動きを俯瞰してみると、今、世界経済は過去にはない、大きな「ゆらぎ」の中にあるように思われます。

(ゆらぎ:政治・外交)

シリア問題や日本の尖閣問題対応にみられる米国(オバマ政権)の日和見的態度と内向き化。それを見透かしたような(プーチン)ロシアのウクライナ介入と中国トップの太平洋分割発言。米国の相対的地位の低下がもたらしたものは、世界の不安定要因の増大でした。いいも悪いも米国が「世界の警察官」なりえた時は、その経済に裏付けられた財政規模と圧倒的な軍事力で世界に睨みを利かせ、世界の安定をもたらしていました。しかし、中国のような個人の自由と民主主義的な価値観を受け入れない一党独裁国家が、経済力と軍事力で力をつけ、世界の表舞台で国益のみを追求し始める、そしてその経済の恩恵を享受している国々は沈黙を守るといった状況。

9年前、このリサイクル通信7月号で、「漢民族に覇者としての中華思想の遺伝子が継承されているとしたら、経済的パワーをもった彼らをして、その遺伝子を目覚めさせるかも知れません」と書きましが、今まさに、その目覚めが軍事力の力もかりて世界への影響力を誇示し始めています。このようにみてくると今、世界は歴史的な大きな「ゆらぎ」の中にあるように思えてなりません。この大きな「ゆらぎ」の先にあるものはいったい何か・・?

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