リサイクル通信

2012年7月107号】

季 節 は 夏 へ / 世界のトップランナー

(台風明けの不思議な夏雲/弊社工場より)

季 節 は 夏 へ

先月、台風が去った、朝、晴れ渡った西の空に不思議な、そして見方によっては、とても美しい雲が浮かんでいました。大空のこの空間のこの位置に、こんなに造形の整った雲がぽっかりと浮かんでいる。大気の温度や湿度や気流やその他の諸々の条件が偶然に重なってできたのでしょうが、このような造形美をつくる地球大気の芸術的センスに驚かされます。写真ではうまく伝わりませんが、実際は立体感・質量感もあり、正に天空の城「ラピュタ」を連想させました。

このリサイクル通信を書いている・・今は、まだ梅雨は明けていません。今年の梅雨は、例年になく多くの台風が日本列島を通過したように思います。九州や中国地方の、地域によっては、台風通過後も、梅雨前線の停滞で大雨が続いており、死傷者も多く、生活にも重大な被害が生じています。災害に見舞われた方々には心よりお見舞いを申し上げねばなりません。ただ、この季節的にやってくるこの梅雨が、日本列島に多くの、「計り知れない」恵みをもたらしていることも事実です。ちょっと敢えて「計り知れない」などと書きましたが、それは、余りに当たり前すぎて、気が付いていない感謝すべきことが、実はたくさんあって、気分的な「うっとうしさ」ばかりがクローズアップされるのは如何なものかなと思ったからです。大地に豊かな水をもたらし、夏の濃い緑の山河を創出し、金色の秋の恵みへと繋がっていく、そしてそれらが育む風俗・文化の営みまでもイメージしたいです。

世界のトップランナー

日本のことです。一つは「バブル崩壊と失われた10 年」、もう一つは「少子高齢化」です。当初この二ついて、後者については、多少、社会発展における人口論的見地からの認識はありましたが、前者については、日本特有の経済事象あるいは、経済運営の失策として、世界の金融当局者は冷ややかな眼で見ていました。そして、当時の日本の当局者も多くを語らず、自分たちの失敗として意気消沈し自信を失っていたようにも思います。

しかし、その後の米国の住宅バブル崩壊等による金融危機、そして現在EU内南欧州でおきたバブル崩壊による財政・金融危機。当局者がとった処方箋はと言うと、日本に見習い、まず巨額な公的資金投入による金融市場の早期安定化であったという皮肉な内容でした。米国は、その後、日本の失われた10 年を反面教師?として、米国経済を成長軌道にのせようと躍起になっており、EUはと言うと、やっと金融市場安定化のための銀行支援の枠組みの合意がとれた段階で、これからが正念場です。

次に後者の「少子高齢化」です。「少子高齢化」は、国民経済に大きな変動をもたらします。生産要素としての生産労働人口の急速な縮小は経済活動規模の縮小=国冨の減少が予想されます。現在の日本の借金を考えると、国の破たんも危惧されます。また、富を生み出す能力が低下する以上、これ以上の借金も不可能ですから、当然国民レベルの生活水準は落とせざるをえません。

また、現在、論議されている年金・医療制度改革が進まない場合は、政治の場を借りた世代間の国富分捕り合戦が起きると言った、なんとも悲惨な状況が生じるかもしれません。今、日本は、この問題領域に、世界に先駆けて直面しています。やがては、お隣の韓国、そして中国がこの問題に直面する事でしょう。中国の場合は、一人っ子政策の影響もあり、また人口の絶対数の多さから、何も手を打たなければ、日本よりも深刻な状況が生まれることは確実です。日本のこの問題への対処のし方に日本の未来がかかっている、と同時にアジアの国々のこれからの未来もかかっている、と言えます。歴史を振り返ると、日本は明治維新後アジアでいち早く近代化をなしとげ、第二次世界大戦の敗戦後は、輸出主導による奇跡的な経済発展をなしとげてきました。

シンガポールを始めアジア諸国の国々も、その日本から多くの教訓を学び経済発展をしてきたと言う事実があります。今後日本が、少子高齢化の問題を解決することは、アジアでの経済的・政治的ポジションを高める上で、極めて重要であると思われます。そしてこの問題解決の方向性は、言葉にするとシンプルで、教育投資による一人当たりの生産性向上、女性、特に女性のキャリア活用、並びに高齢者の活用、そしてこれも教育によるところが大きいですが相互扶助的な公共的精神の醸成であると思われます。世界で再び尊敬される国家となるためにも、トップランナーとして、是非、解を示して欲しい大きな大きな課題です。

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