私が、社長に就任したのは、2008 年11 月11 日でした。以前より会社を引き継ぐに当たっては、会長、社長の2 枚看板の時期が欲しいと話しておりました。肩書きだけ引き継ぐならある意味簡単かもしれません。しかし、お取引様、世間様に認知して頂くにはそれなりの時間が必要です。駅伝の選手が襷を受け渡す際に、次の選手が助走を付けるのと同じ様に、世代交代にも助走が必要です。
肩書きだけでも社長となると色々なものが回ってきます。まずは借入の連帯保証でしょうか。その他にも、様々な会への出席も社長としての出席となります。また、日々の業務においても、発言力が大幅に強くなります。決断すべき事柄も、専務の時代とは大違いです。2 枚看板の最大の効用は、前社長が、会長として居る事で、対外的なショックも軽減されるという事でしょうか。まあ、安心感と言ってもいいかと思います。
さて、2008 年秋と言えば、リーマンショックの直後です。社長交代の準備は、半年ほど前から進めていたので、予定通り11 月に交代を致しましたが、最初から試算表は、赤字続き、しかも幅も大きい。その中で、最初の決断は、リストラを行うかどうかでした。世間では、大規模なリストラが行われていました。ここで、私の下した結論は、「不況によるリストラは行わない。全社でシュアしていこう。」というものでした。理由は、二つです。一つは、モチベーションの低下です。次は誰か?という雰囲気が社内に蔓延しては、チームワークもありません。
当社の業務は、製造業でもありますが、同時にサービス業でもあります。社内の雰囲気が悪くて、お客様にいいサービスが出来る訳もありません。二つ目は、回復期に入った時の回復力です。スクラップのビジネスでは、目利きが重要です。これは、一朝一夕に育つものではありません。リストラしてしまっては、回復すべき時に、飛ぶ翼が無いという事になってしまいます。
残業のカット、賞与のカットなど社員にとっても、苦しい時期だったと思います。しかし、この決断において、社内の結束は高まった様に感じております。また、回復期においても、滞りなく生産が行えました。そして、苦しみながらもようやく安定してきた所へ、震災です。計画停電もありました。弊社の大半の設備は電気が無くては動きません。
こんな時こそ、社長は会社に張り付き、社員の不安を払拭すべきと考え、計画停電の時には、社員と共に出来る業務を見つけ、一緒に作業に当たりました。経営理念の策定は、就任当初からの課題でした。リーマンショックや、震災などを社員と共に乗り越える中で、ようやく暗黙知としてあった理念らしきものを言葉にする事が出来ました。弊社は、今後もお客様により高い価値を提供すべく、努力を続けてまります。末永くご愛顧頂きます様、心より御願い申し上げます。経営理念長沼商事株式会社は、資源の高品位なリサイクルを通じ、環境負荷の少ない社会の実現に向け貢献していきます。
経営理念
一、我々は、正直である事を旨とし、共に働く社員一人ひとりの幸せの実現の為、常に研鑽に励み共に協力し業務を遂行します。
一、我々は、お客様に商品、サービスの提供を通じ、より高い価値を提供します。
一、我々は、現状に満足せず、より高い価値をお客様に提供する為に、常に研究、改善に取り組みます。
一、我々の理念は、世界に共通するものであり、分け隔てなく共に働き、理念を追求します。
一、我々は、我々の理念を追求し、適正な利益を得る
事で会社を発展させ、社会に貢献していきます。