アルミスクラップのマーケットは、大きく分けて2 つあります。一つはアルミサッシに代表される新塊系のマーケット。もう一つは、鋳物系のスクラップなどの合金系のマーケットです。その他にも裾物系のマーケットなどもあります。
さて、新塊、合金とは、と言いますと、新塊は、文字通りボーキサイトから精錬し作られたアルミの事です。アルミサッシなどは、不純物が多いアルミ原料からは作れません。海外では、スクラップを
一切使わないサッシ工場もあります。日本では、リサイクルすべきという社会的な使命もあり、また、原料単価を下げる為、スクラップを新塊に混ぜて使っています。ここで使用するスクラップは、高品位な物に限られます。主流は、不純物(ネジ、プラスチック、保護シートなど)が一切無いアルミサッシです。その他にも、アルミホイルなども使っています。ところが、市中には、あまりこういった高品位なスクラップは、ありません。その為、やや高めの価格となっています。
次に合金ですが、主に自動車エンジンなどの鋳物向けとなります。こちらは、アルミサッシなどと比べて、品質的に甘いので色々なスクラップを使っています。甘いといっても基準はあるのですが、含有成分が、例えば、新塊系ですとZn(亜鉛)0.1%以下といったレベルですが、合金系ですとZn1%以下とゆるくなっています。その為、合金系のメーカーは、色々な種類のアルミスクラップを使っています。身近な所では、住宅解体から発生するアルミサッシ(ネジ、鍵、ゴムパッキンなどが付いた物)や、鍋、フライパンなどのアルミスクラップなども使っています。その為、比較的集荷しやすいので、価格的にもやや安めとなっています。
この2つのマーケットは、それぞれ基準となる指標が違います。以前にもリサイクル通信で書いた事があるのですが、ロンドンのLME というマーケットが基準となります。この中で、それぞれ新塊、合金が別の商品として先物取引などが行われています。この2つの価格が、近づく事もあれば、大きく離れる事もあります。また、それぞれの地域での需給関係などが加味され、実際の価格が決定していきます。同じアルミなのですが、用途、純度によって価格の動きが違ってくるのです。
例えば、住宅建設が盛んになりそうだとなると、投機によって新塊だけ値上がりしたり、自動車の生産が好調となると、新塊は、動かないのに、合金だけが値上がりしたりします。それに伴って、スクラップもそれぞれ変動します。もちろん、鉱山でストがあり、生産が落ちそうだといった事でも変動します。LME は商品市場であり、投機家が売り買いを繰り返しています。彼らの思惑で市況が変動する事の方が多いかもしれません。これは、実務をしている立場としては、非常に困るのですが、LME の商品市場が世界的な基準価格を提示している事も事実で、海外の需要家ともLME をベースに話をする事が、スタンダードとなっており、評価すべき面でもあります。
まあ、価格は、価格として、アルミの需要は堅調です。東南アジア、中国での自動車生産は、震災での落ち込みはあったものの、既に復調しており、夏期休暇のある8月は、微減となるものの9月以降フル生産というメーカーが多い様です。国内メーカーも9月から生産は増えて行くようですが、電力問題もあり、フル生産というレベルでは無いようです。最近では、韓国メーカーが積極的に、日本のスクラップを手当てしています。やはり自動車関連の様です。
中国では、積極的にアメリカのスクラップを手当てしており、安い労働力、安い電気代を背景に、生産したアルミ合金を日本、東南アジアなどに積極的に販売しております。もちろん価格競争力もあります。東南アジアでは、日系メーカーもアルミ合金を生産し、日系メーカー中心に販売しておりますが、やはり、震災の影響は軽微であり、フル生産といった状況の様です。
一方で、国内のマーケットですが、発生、需要とも低調です。ただ、海外で生産し、日本に輸入していたものが、現地販売を増やしている関係で、日本での生産に戻している事もあり、増産に動いているメーカーもあるようです。