リサイクル通信

2010年11月87号】

生物多様性・・・里山(SATOYAMA)/ 生物多様性・・・野生動物の襲来

11月に入り、周りの木々が色づき始めました。先月まで暖かい日が続き、こんな陽気で大丈夫かしら?などと思っていましたら、今月に入り急に寒さが増し、慌ててストーブを用意する始末―。季節が堰を切って冬に向かい始めた感じです。生物多様性・・・里山

生物多様性・・・里山(SATOYAMA)

先ごろ、名古屋で生物多様性条約第10 回締約国会 議が開かれ、議長国として日本が粘り強くリーダーシップ を発揮。2020 年を目途とした生物多様性を保全する 「新戦略計画」等の各種採択や、その他各種国際的な 取り決め等がなされました。そしてその会議の中のあ る作業部会で、日本の「里山=SATOYAMA」が話題とな り、非常に評価されたとのことでした。

詳細なことは わかりませんが、確かに、人と野性生物が、その「場」 を介して、折り合いをつけながら共存するシステム は、生物多様性の保全といった観点からみても価値あ る仕組みであるのでしょう。しかし残念ながら、実際 の日本の里山はと言うと、荒廃の一途をたどっている というのが現実で、現状では決して誇れるものではあ りません。 さて、この秋、日本の至るところで、住宅地への熊 の出現が相次いでいます。ニュース報道では、この夏 の猛暑で餌となるどんぐりの実の生育が良くなく、食 料不足に陥ったことが原因だとのことです。

またその 一方では、宅地化による、前述の里山の荒廃と減少が 被害を大きくしているのではないかとも言われてい ます。里山とは人間の生活圏である畑や田と野生動物 が生息する山との間に帯状に広がる落葉樹林帯と言 ったらよいでしょうか。昔は、人もそこに分け入り落 ち葉を集め、畑や田の肥料とし、あるいは燃料その他 の生活資材を調達する場所でもありました。また野生 の動物にとっては、重要な食料確保の場所であり、そ の機能は多岐にわたっていたはずです。

そして先ほど の熊の出没との関係で言えば、なによりもこの里山の 存在が人間の生活圏と野生動物の生息圏との干渉地 帯として機能していたということです。確かに、たと え熊といえども、敢えて怖い人間界に近づきたいとは 思わないはずです。豊かな里山で食欲を満たして、す んなり山へ帰ることが出来ないから、危険を冒して人 間界へ入り込んできたというのが事実でしょう。襲わ れた方には叱られそうですが、テレビの映像で写し出 される射殺された熊の姿は哀れです。山では、お父さ ん熊(あるいはお母さん熊)の帰りを家族皆が待って いるかもしれません。

生物多様性・・・野生動物の襲来

じつは、里山の話から熊の出没と話題を展開したの は、表題のことに触れたかったからです。ここでは生 物多様性の言葉の意味合いを変えています。言葉尻だ けを捉え自虐的ユーモア風に使わせてもらいます。 実は昨年の春のことです。話が非常にローカルにな ることをお許しいただき、続けます。

因みに私の住ま いは、荒川の支流である高麗川沿いにありますが、そ の自宅の裏の材木置き場に、突然日本カモシカが現れ たのです。これには非常に驚きました。最初は太った 大きな猪かと思いましたが、軽々と材木の上に飛び上 がるのを見て、これはテレビでしか見たこのない日本 カモシカだと直感しました。その姿、「もののけ姫」 にでてくる「シシ神(ガミ)様」よろしく、数秒間じっ と空を見ていましたが、あっという間に道路を飛び越 え、川を渡って山に消えていきました。実は、これだ けではないのです。今まで我々住人達が出会ったこと ない野生の動物達がやって来るのです。通常の野生の 鹿はもちろん、更にはサルの集団も突如としてやって 来て畑を荒らしていくのです。

そして極めつけは、や はり熊です。いったい彼らはどこからやって来るので しょうか。確かにこの地の山なみは遥か西へと続き、 彼らが生息しているだろう奥秩父の山々へと繋がっ ています。しかしこのような出来事は以前にはなかっ たことです。笑ってしまいますが、まさに生物多様性 か、サファリパークか、です。彼らが暮らしている山々 に、何か、大きな異変が生じつつあるのでしょうか。 もしかすると、生物多様性の問題と対をなす気候変動 の問題が、彼ら生息地の植生分布に異常を生じさせ始 めているのかもしれません。そしてその結果が、この ような野生動物たちの襲来となって現れた。とも考え られます。自虐的ユーモアでは済まされない問題が潜 んでいるようにも思われます。

さて、考えすぎでしょうか?

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