鉄スクラップの価格が戻し始めました。8月後半に行 われた、関東鉄源協議会(鉄スクラップ問屋の協同輸 出機構。商社に対して入札を行い、1ヶ月で2万トン程 度の輸出契約を行っている。)の入札で前月を上回る 価格で応札され、マーケットが反転し始めました。
同時 に8月は、夏枯れとも言われ、一般に発生の悪い時期 でもあります。需要家である、電気炉メーカーも電力の ピークカット、夏季休業などもあり、需要が振るわない 事から、一般的には市況が上がる要因は少ないのですが、今年は、海外の製品需要は旺盛であり、特に韓 国では、原料在庫の水準が落ち着き始めています。
ま た、今秋に新しく電気炉が稼動を始める事もあり、購入 意欲を強めています。もし、為替がもう少しマトモだっ たら、もう少し早く動いていたかも知れません。米欧 が、なりふり構わず、自国通貨安に取り組み、海外の 需要を取り込もうと躍起になっている中、日本政府、日 銀の対応は、思考停止と思わざるを得ません。その中 での、韓国の購入開始は、この円高を打ち消して、尚 且つ国内相場より高い訳です。
中国を始め、アジアの需 要の伸びは、力強いと感じざるを得ません。国内の住 宅建築も低迷を続けており、なかなか国内の鉄鋼需要 が回復するとは思えません。自動車もエコカー減税が 一段落する10月からは、国内大手自動車メーカーで も下請けに対し、数量ベースで20%減の通告があった とも言われております。当面、内需に期待できそうに無 い中、アジアの需要だけが、頼みの綱といった状況が続 くのではないでしょうか。
非鉄市況持ち直し後下落
非鉄スクラップも価格が持ち直してきました。世界 的な価格指標であるLMEで、価格が持ち直してきまし た。7 月月初のアルミの価格は、1924 ドルでしたが、8 月6日の2217 ドルまでほぼ一本調子に上がって来まし た。しかし、その後、徐々に値を下げ、8 月18 日時点 で、2146 ドルとやや下げ、一進一退といった状況で す。
8月後半の外電のアルミ価格は、微減といった所 で推移するのではないでしょうか。それにしても、為替 には、泣かされます。7月1日の為替が、88.36 円だっ たのに対し、8月18日では、85.45 円に円高になって います。LMEで下がり、為替で目減りしといった状況 です。 しかし、国内のアルミ合金メーカーは、海外へのシフ トを強めています。先日も、国内大手のメーカーが2工 場を統合し、1工場に集約した上で、余剰設備を海外 に移設するとの記事が出ていました。
この手の話は、 決して珍しいものではありません。特にアルミ合金の需 要は、その大半が、自動車やオートバイであり、これら の生産拠点は、中国、タイ、インドネシア、インドなどで す。特に、タイには、日系企業の多くが進出しています し、インドネシアは、世界第4位の人口を抱え、オート バイの生産を伸ばしています。こういった製品メーカー にアルミ合金を販売する為に、アルミメーカーが海外 進出を進めているのです。日産自動車のマーチが国 内生産を止め、全てタイに移管したのは、記憶に新し いところです。
最近、新聞で見る、企業の業績発表な どを見ても、IT関連か、国外で稼いでいる企業が目に 付きます。一方で、これだけ企業が海外に進出してい るという事は、同時に国内での雇用が失われていると いう事です。ですから、失業率も改善しませんし、さら に円高が追い討ちをかけ、価格の下落圧力が働く状 況では、なかなか国内需要が持ち直すとは思えませ ん。一方で、2020 年の世界のアルミの供給不足は、 800~1000 万トンとの予測もなされています。これは、 東南アジアの中間所得者の増加に伴い、自動車、オ ートバイの需要が伸び、併せて、アルミ合金の需要も 伸びると予測されているからです。 7 月にマーケット調査の為、タイとベトナムを訪問し、 14社と面談しましたが、タイのメーカーでは、リーマン ショクの際には、多少需要が落ちたそうですが、すぐに 戻ったとの事でした。
現在でも、フル生産が続いている そうです。バンコクの交通渋滞は、有名ですが、今回、 おやっと思ったのが、ベトナムです。以前より、自動車 の数が増え、オートバイも小奇麗になってきていまし た。もちろんオートバイの数は、半端ではありません。 東南アジアでは、まだまだハイブリットなど縁遠く、ガソ リンエンジンが主役の座を下りる気配はありません。こ の先の、アルミマーケットの主戦場は、アジアである事 は、間違いなさそうです。