リサイクル通信

2010年4月80号】

鉄スクラップ高騰 / 国際鉄リサイクルフォーラム

鉄スクラップ高騰

資源の価格が、上昇しています。日本経済新聞な どにも掲載されていますが、鉄スクラップ問屋で組 織する関東鉄源協同組合の輸出向け入札も高値で 落札されました。昨年の4 月と比べると180%近い 値上がりです。要因の一つとして、リーマンショッ クからのアジアの急速な回復にあります。

元来、ス クラップは、生産品ではなく、発生品です。生産工 場が稼動し発生する、あるいは住宅建設に伴う解体 によって発生する。そういったものです。ですから ある意味では弾性に乏しい商品とも言えます。日本 国内では、ようやく大手上場企業の業績が、回復を 始め、なんとか水面から顔が出たといった状況で す。また、前期決算が赤字だった企業は、今期こそ 黒字で決算を迎えたいと考えている事と思います。

ですから、短期的な設備意欲は極めて弱く、また、 生産も稼働率100%には、まだ届かない状況だと思 われます。建築に於いても、先行き不透明な時代に、 借金をして住宅を取得する人は、それ程居る訳では ありません。今、日本の国内スクラップは、発生減 の状況であり、一方でアジアの急速な需要の高まり に、無い物高といった状況です。価格的には、07 年レベルですので、まあまあといった所で喜ばしい のですが、いずれにしろ、物量の大きな回復はなか なか望めそうにありません。

さらに、最近新聞を賑わわせた鉄鉱石の90%値 上げ、3 ヶ月単位の値決めといったニュースです が、鉄鉱石メーカーは、寡占状態であり需要家に交 渉力はありません。特に、日本は、中国にも生産量 で大きく離されており、まったく勝負になりませ ん。しかし、寡占化状態である事が、鉄鋼素材関連 の価格下支えにもなっております。今回は、08 年 の様な急落は、無いかもしれません。

国際鉄リサイクルフォーラム

我々の業界団体であります、(社)日本鉄リサイ クル工業会主催で、国際鉄リサイクルフォーラム が、6 月10 日に開催されます。日本鉄リサイクル 工業会の全国大会に併せて行われるのですが、昨 年、BIRに加盟した事もあり、今年はより大きな フォーラムになると思われます。今年の参加団体は 以下の通りです。

BIR(ベルギー) (Bureau of International Recycling)

ISRI(アメリカ) (The institute of Scrap Recycling Industries)

KOAS(韓国) (Korea Iron and Steel Association)

CAMU(中国) (China Association of Metal Scrap Utilization)

Taiwan Steel and Iron Industries Association (台湾)

昨年の北海道大会で要望のあった、同時通訳の導 入なども検討されており、より活発なフォーラムに なる事と思われます。

昨年の秋に、韓国・東部製鉄 韓光熙社長を招い て、ある新聞社主催のシンポジュウムが行われたの ですが、その際も韓国の積極的な設備投資について ご講演頂きました。日本が、リーマンショックから 立ち直れずにいる中において、大きな違いを感じた ものでした。日本の常識は、世界に於いては、非常 識な部分が多々あるのかも知れません。アメリカの MBAでも日本人の減少が著しいといった記事を 良く目にします。

やはり、自らの目で多くの国を見 ることによって、世界といったものが見えてくるの でしょう。我々の商いに於いても、アルミメーカー などは、国内の設備を需要の旺盛な、アジアの国々 に設置しなおしています。それは、自動車など消費 財の大きな生産地がアジアにある事を意味してい ます。

そして同時に、我々の販売先もこういったメ ーカーが展開する海外に、といった事に繋がって行 きます。ロンドンのLMEが中心になって国際的な 価格指標を示し、アジア各国のロケーション、為替、 需要などの要因によって、日本の国内価格が決定し ていく。この流れが、より鮮明になっていくのが今 年かも知れません。アジアの発展を支えるフロンテ ィアスピリッツに、楽に勝てる訳もありませんが、 粘り強いチャレンジあるのみです。

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