スクラップの発生が、細まったまま早くも1 年が過 ぎ去ろうとしています。昨年7 月をピークに相場は下 がり続け、約4 ヶ月で1/7まで下がりました。そこ から徐々に値を戻してきていますが、それでもピーク 比35%程度です。まあ、それでも絶対値でみれば、 それほど安いという訳ではないのですが、肝心の数量 が大きく減少しています。
建築の停滞、工場の稼動率 低下などスクラップの発生は、まだ70%程度までし か回復していません。スクラップの需要家である電炉 メーカーも大幅に減産しており、低い所でバランスし ている形となっています。弊社で取り扱っている鉄ス クラップについては、輸出も継続して行っており、販 売出来ないといった状況にはありません。輸出も大き な市況要因の現在では、為替が円高に振れてきている のが気がかりな状況です。
アルミスクラップ市況
アルミの状況も、芳しくありません。やはり、政権 が変わり、公共事業にストップが掛かっている事と、 先行きの見えない中で、マンションなど住宅の販売低 迷が大きな要因ではないでしょうか。
また、需要家で ある自動車メーカーも国内販売は、エコカー減税もあ り、やや持ち直していますが輸出関連がダメなので、 結局生産台数自体は低迷しています。通常、住宅解体 から発生するアルミサッシや、機械解体から発生する アルミスクラップは、アルミ二次合金といわれる溶解 メーカーへと販売されAD12.1 という合金に再生さ れます。そして、その主な需要は、自動車のエンジン なのです
現在では、3000ccといった大型のエン ジンからハイブリット向けの1500cc程度の小型エ ンジンに主流が移っており、1台当たりのアルミ使用 量は、減少しております。その上、生産台数も減って いるとなれば、やはりアルミの需要は、弱いと言う事 にならざるを得ません。しかし、スクラップの発生も 少ないので、低位バランスとなっております。
1年を振り返って
昨年の急激かつ世界的な不況から1年以上が過ぎ ました。今年の年初は、先行きのまったく見えない状 況でした。大手メーカーの在庫調整も継続しており、 需要が蒸発したといわれたのもこの頃でした。しか し、ある程度の在庫調整が終わり、3月決算の目処が ついた所から少しずつ動き始めました。
各国の経済対 策も動き始め、徐々にではありますが、需要も回復し てきました。特に東アジア各国で鉄鋼生産が回復し、 それに伴って輸出の動きも活発化してきました。 夏を過ぎると中国の生産過剰問題が表面化し、市況は 軟調推移となっております。為替も徐々に円高方向に 進んでおり、輸出環境としては悪化しています。
秋以 降、輸出の新規商談がなかなか成立しないこともあ り、また国内需要が低迷していることもあって、当面 は軟調に推移するものと思われます。 この1年で、当業界を含め、世界中が大きな打撃を 受けた訳ですが、相場がどれだけ変動しようと、「限 りある資源である金属を適正にリサイクルする」とい う社会的使命は、微動だにしなかったと思います。今 後、政権交代した事もあり、社会構造が大きく変わっ ていくかもしれません。
少子高齢化社会に移行してい く中で、箱物をどんどん作っていくという時代ではな くなっていくでしょう。それでも海外の大きな需要を 取り込み成長していく事は、決して難しい事ではあり ません。隣国の韓国では、電炉の新設が目白押しです。 当然スクラップに対する需要も出てきます。韓国の主 な輸入先は、アメリカだと思いますが、デリバリーに 時間が掛かる事もあり、日本のスクラップに対する期 待も大きい様です。弊社も、国内の地場電炉に配慮す ると共に、アジアの成長力を取り込んで行くことも、 必要だと思っています。
弊社において、昨年の12月の初めに、不況による リストラは一切行わない旨を全社員に表明しました。 つまり、みんなでシュアしていこうという事です。そ れと同時に、徹底的に経費の削減を進め、物を大事に して欲しいというお願いをして来ました。その上で、 一つ一つの仕事を丁寧に、地道に行う事もお願いして 来ました。そうして作ってきた商品は、必ずお客様に 支持されていきます。
その繰り返しが、お客様の信用 に繋がっていくのだと思います。結果的に社員にとっ て、それが自分の職場を守っていくという事です。 お蔭様で、弊社も徐々にではありますが、業績も持 ち直してきております。まだまだ、日本経済も苦難の 道だとは思いますが、外部要因は、あくまで外部要因 であって、社内で出来る事もたくさんあると思います。
不況を嘆く前に、自分の仕事を一つ一つ見直し、 より良い製品作りをしていく以外にありません。 今年も1年間、皆様には大変おせわになりました。 来年が、皆様にとっても良い年である事を祈念してお ります。本当にありがとうございました。