リサイクル通信

2008年8月72号】

鉄スクラップ市況 / アルミの市況

鉄スクラップの価格が上昇しています。この主な 要因は、韓国、中国の引き合いが強い為です。韓国 では、東部製鉄の新電炉の稼動、ポスコの高炉改修 が終わり、再火入れが行われ、来年にも現代製鉄の 新高炉の火入れが予定されており、鉄鋼生産は、正 に増産一色です。中国にしても、経済政策の恩恵も あり、増産基調です。

経済成長も、個人消費に翳り も見られるものの、8%弱とまだまだ高水準にあり ます。ところが、韓国にしても、中国にしても国内 のスクラップ発生が少なく、輸入に頼らざるを得ま せん。主には、米屑となりますが、入港までには、 時間が掛かります。そこで、出港すれば3 日程で入 港出来る日本屑に注目が集まっています。

一方で、日本の電炉はというと、関東地区でみる と、8 月の生産予測は、昨年比12 万トン減の35 万 トン弱と予測されています。率にして26%程度の 下落となっています。それでも7 月から比べると、 若干の増産になっています。それに対して、スクラ ップの発生は低調のままです。関東地区では、30% 程度の減少と言われており、一方で、地方では、半 分以下との声も聞かれます。

確かに、3大都市圏(東 京、名古屋、関西)に日本の人口の50%以上が集 中する現状では、止むを得ないのかもしれません。 先日、ある地方の同業者から聞いた話ですが、なに しろ土地が余っているので、家にしても解体せずに 隣に新築するそうです。工場にしても、稼動日数は 増えていてもスクラップの量は少ないまま、つまり 物を作っていない証拠など、確かにこれではスクラ ップの発生が少ない訳です。

海外勢を含めた需要サイドが強いのに対し、スク ラップは住宅等の解体や、工場から出る端材などの 発生品であり、思うに任せません。為替の関係もあ りますが、当面は、無い物高の状況が続くのではな いでしょうか。

アルミの市況

アルミの海外市況が上伸しています。以前もお伝 えしたように、非鉄金属の価格は、ロンドンのLM Eによって決まっていきます。アルミについては、 年初の1568 ドル(3 ヶ月先物)から2007 ドルと大 幅に上伸しています。率にして30%近く上がって いるのです。在庫も455 万トンと過去最高の水準に あります。しかし、本当にこれほどの現物があるの か、実は大いに疑問なのです。

これだけの量は物理 的に倉庫に入らないとの話もあります。商社などの 担当は、実際の売買から見るとこの在庫は非常に違 和感があるそうです。ここまでジャブジャブに品物 が有る感じは無いそうです。在庫もそうですが、価 格的にも実力以上に高騰している感があり、ファン ドなど投機的な影響が強い様です。経済指標の変動 によっては、下落していくことも予想されます。

需要も冷え込んだままで、一部自動車向けなど 70%程度まで生産が戻った所もありますが、大型の エンジンの車が減り、ハイブリットなどの小型エン ジンが主流になる状況では、昨年並みに戻る事は無 いという見方が多いのではないでしょうか。今は、 ハイブリッドですが、将来電気自動車の普及が進む と、アルミを使う場所が大幅に減って行く事になり ます。それを見越してか、大手のアルミダイカスト メーカーは、海外へのシフトを強めています。

中国、 インドなどの新興国では、電気自動車への移行に は、まだ時間が掛かるでしょう。それまでの間、自 動車の保有台数の伸びに併せて、エンジン需要は伸 びていく事が予測されます。実際に、中国のアルミ 2 次合金メーカーなどは、増産していくと表明して います。しかしながら国内の価格は、今後も国内生 産されていく高級品種向けの高品位スクラップと 海外二次合金向けの下級スクラップでは、輸出コス トもあり乖離していくのではないでしょうか。

年初の頃の様に、底が見えない様な状況では無く なっており、市場も冷静さを取り戻してきていま す。振り返ってみると、この1 年で市況は大暴落し ました。しかし、資源をリサイクルして行く事の社 会的な重要性は、微塵も揺るぎませんでした。そし て、家電品の様に、商品の陳腐化が進んだ訳でもあ りません。この事が検証されただけでも、この1年 は価値ある1年だったのかもしれません。

一覧に戻る

お問い合わせ

お困りごとや気になることがありましたら、
お気軽にご連絡くださいませ。
無理な売り込みをすることはありませんので、安心してお問い合わせください。

電話のアイコン04-2947-8870

8:30〜17:30
(日祝、第2・4土曜、夏期休暇、年末年始除く)

トップに戻る