そろそろ、梅雨も明けようとしています。毎年やってくる季節ですが、昔のそれとは様子が大分変わってきています。地域によって雨の降る量が極端に異なったり、夏日のような日が何度も現れたりと、以前の梅雨のパターンとは大分違っています。四季の変化に対応できる身体をもっている日本人でも身体に変調をきたす人が増えるのではないでしょうか?
カルガモ親子への謝罪
・・・プロローグ・・・
筆者の実家の裏には、高麗川という荒川の支流の一 つが流れています。数年前までは、川岸には砂や小石 で覆われた、清流らしい川原が延びていました。それ が4、5 年前より、葦の川原に一変してしました。要 因としては、上流の住宅地の増加による川の栄養化や 水量の減少なのでしょうが、さらには気温の上昇や CO2 の増加(炭酸同化作用の活発化)等も考えられ るかも知れません。
以前から、散歩するたびに、あまりにひどいので、 いつか一掃してやろうと考えていました。しかし実行 に移すとなると、葦の背丈も高いものでは2 メートル を越すものもあり、草刈機を使っても辛い作業になる ことが予想されました。従って、その実行も先延ばし になっていました。しかし梅雨明け前に刈らないと、 梅雨明け間近にやってくる大雨による洪水で刈り終 わった草を一掃してもらうことができなくなります。 仕方なく先週土曜日に重い腰を上げ「葦の藪掃討作 戦」を開始しました。 ところが、刈り始めると思いのほかスムーズにはい きません。刈った瞬間に2 メートルほどの葦が倒れ込 んできます。
束になって草刈機の上に倒れ込んでくる ので、草刈機をコントロールするのに苦労します。そ してなにより想定外だったのは、この葦の藪が蚊や雑 多な羽を持った小さな虫達の巣窟だったことです。一 刈りするたびに、蚊やこれら虫たちが数十匹と飛び出 し、私の顔や耳など露出している部分を容赦なく攻撃 してきます。すぐに、この戦いを長く続けることは不 可能だと悟りました。
風は無く、湿度は高いし、夏の 太陽は容赦なく照りつけてくる。圧倒的な敵の数と、 この環境下でこの作戦を続けることは、こちらの玉 砕?を意味すると思いました。しかし何も成果を挙げ ないで引き下がってしまうと、当初の志?を傷をつけ てしまう。とにかく2 時間かけて川原の三分の一ほど の葦を刈り上げ、後日に期して撤退しました。
・・・カルガモ親子・・・
夕方、いつものようにジョキングをするために川沿 いの道を走り出した時、ふと、葦を刈り取った川原に 目をやると、何やら動めくものがいます。既に7時を 回っていましたが、夏の夕暮れは遅く、それがカルガ モの親子であることがわかりまた。
母親1羽に子が5 匹。周囲に注意を払いながら水に首を突っ込み餌をと っている母親の周りを、着かず離れず5 匹の子ガモが 無邪気に遊んでいます。彼等の何ともかわいらしい行 動に見惚れていましたが、暫らくして私はとんでもな いことをしてしまったことに気がつきました。先ほど まで私がしていたことは、彼らの安全な居住地を殲滅 する行為だったことに気がついたのです。
数年前まで あった砂や小石の見える美しい川原に戻したいとの 気持ちで、一発奮起し「葦の藪掃討作戦」を開始した のですが、4、5 年の歳月で出来上がった葦の藪には、 既に新たな生き物たちの生活圏が出来上がっていた のです。2 メートルを越す葦の藪は彼等生き物にとっ て、外敵から身を守るには理想的な空間だったのです。
カルガモの親にとっては、子育てをするにはこれ とない場所に違いありません。その数時間前に、川の 上空高くを鷹が旋回していたことなどを思い出して いました。
・・・エピローグ・・・
幸いにして、カルガモ達が居住していると思われる 場所までは葦を刈り込んでいないようでした。 私達は自然保護や環境保全を考え実行するとき、程 度の差こそあれ、同じようなことを犯してはいないで しょうか。時間とともに環境は変わっていく。
もとの 環境が理想的だとしても、変化の過程で出来上がって いる新たな秩序もあるということを認識する必要も あるのでしょう。そのようなことに思いをよせず、あ るべき姿のみを追い求める行動は、第二の破壊を招く 危険もあります。視点を変えて物事の事象を捉えてみ るという必要性がここにあるのでしょう。