リサイクル通信

2008年12月64号】

アルミ価格暴落続く / 不景気だけれども

国内外のアルミの価格が未だ下げ止まりません。ア ルミの価格は、ロンドンでの価格(LME)によって決定さ れていきます。いわゆる商品市場です。今年7月まで3 000ドルの高値で推移していましたが、金融危機の影 響を受け、現在では半値の1500ドル以下まで下がっ ています。本来であれば、精錬コストなどから1800ド ル辺りが下限値と言われていたのですが、あっさりと割 り込み未だ底が見えない状況となっております。

この背 景には、自動車産業の急速な悪化にあります。アルミ の需要の中でも、自動車向け、建材向けは、大きな割 合を占めており、特に自動車向けは、新聞紙上をにぎ わせている、ビックスリーの業績悪化を始め、国内でも トヨタ、マツダなどの業績悪化、派遣労働者の大量解 雇と、いい話は無に等しい状況です。もちろん生産台 数も大幅に削減されています。11 月では、前年比2 7%の大幅減産です。自動車でのアルミ利用の大部分 は、エンジンなどですが、近年のCo2 の問題などで、 大型車から小型車にシフトが進んでいる事、ハイブリッ ト車の普及などエンジンの小型化などにより、使用量は 激減しております。

多少は、足回り部品のアルミ化など で鉄から置き換わっている部分もあるのですが、それ にしても微々たる量です。 そして、我々の取り扱っているアルミスクラップにつ いてもさらに悲惨な状況が続いています。市中から発 生するアルミスクラップは、その大半が二次合金メーカ ーといわれる溶解メーカーに販売されていくのです が、そこで生産されたアルミ合金の主要需要家は、自 動車関連に集中しているのです。その自動車関連業 種は、先に述べました様に非常に悪いのです。

ある二 次合金メーカーでは、1-3月の注文が入らず、生産 計画が立たないとの事でした。今夏から見て、良くても 60%程度だろうとの事でした。 アルミスクラップの価格決定に於いては、LME だけ でなく、需給も影響してきます。二次合金メーカーで は、生産しても売れる当ても無いので、当然原料であ るスクラップの購入も極端に抑えております。「あまり物 に値段なし」などと言われますが、正にその通りで、物 流が滞っている現状では、LME の指標以下になってし まうのも止むを得ないのかもしれません。 しかし、ここに来てようやく世界各国のアルミメーカー が減産を発表しています。生産コストを下回る価格で は、減産せざるを得ません。しかし、効果が出てくまで は、今しばらく掛かりそうです。

さて、もう一つの大きな需要家である建材向けです が、国内最大手のトステムは、何とか黒字を維持してお り、自動車関連程の状況には、至っておりません。国 内サッシメーカーは、減産といいながらもある程度の量 は溶解していると思われます。11月も減産といいなが ら、結果的には微減に留まったなどという話も伝わって きております。その為もあってか、12月の弊社へのサッ シメーカーからのオーダーも稼働日が少ないにも関わ らず、減少には至っておりません。お蔭様で、現在もフ ル生産状態です。まあ、前倒しになっている分、年末 の操業終了は、早めになりそうです。

さて、ここまでに、需要減退により物流が滞っている 事、需給関係によって指標以上に値下がりの大きい事 などを述べてきましたが、もう一つ、為替の問題を考慮 しなくてはなりません。冒頭でアルミの価格は、LME と 言われる商品市場で決定されると述べましたが、ここで の通貨単位は、「ドル」です。

つまり、LME の価格に為 替レートを掛けなくてはなりません。実際には、この他 にもジャパンプレミアムという補正値があり、ここでも変 動するのですが、これも「ドル」なのです。今1ドル91.3 円(12/12)です。日本の国力という意味合いでは、円が 強い事は良いことですが、残念ながら、アルミの価格に とっては、逆風なのです。今年の夏頃は、110 円程度 だったと思いますが、例えば1500 ドルの値下がりで は、為替の影響は、約30 円/Kg となります。今のスクラ ップ価格で上級品でも100 円程度である事を考えると 実に30%もの押し下げ要因になるのです。

不景気だけれども

当面の間、景気の回復は望めず、冬篭りの時期とな りますが、景気の循環と言うようにいつかは回復するの です。暗い顔をしていても景気が良くなる訳ではありま せん。日本のGDP は、515兆円であり、世界全体の 8%を占めています。自社の強みを鑑み、この時期に こそ磨きを掛け前向きに取り組んでいきたいものです。

今年も早くもあと半月。メーカーさんの操業停止も例
年より早い事が予想され益々短い師走となりそうで
す。今年も1 年間本当にお世話になりました。来年
も引き続き、ご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い致し
ます。

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