リサイクル通信

2008年5月57号】

スクラップの行方 

昨年の11 月から上り始めたスクラップ価格は、 下げを知らないまま、早7 ヶ月目に入ろうとしてい ます。これは、中国・インドを中心としたBRI Cs諸国での経済発展に伴う鋼材需要が旺盛で、 世界の粗鋼生産量増大が、毎年1 億tづつ増えてい るのが原因になっています。

これに付随して、高炉の主原料である、鉄鉱石が 前年度比65%のUP,原料炭については前年度比 300%UPもの価格上昇の状況にあります。 この為、日本の高炉では、上記の価格上昇プラス CO2 の排出対策の事もあることから、スクラップ の配合比率を上げています。

どれ位なのかと申しますと、2001 年度600 万t に対し2007 年度は1280 万tと、約2倍もの使用量 になっているのです。

本来高炉で使うスクラップと言えば、丸特、新断 だったのですが、一部の高炉では、4000 馬力のシ ュレッダー機を導入し、今まで見向きもしなかった H2(弊社の特級)クラスを破砕し、不純物を除去 して転炉投入するという新たな試みが始まってい ます。

近場の高炉でいきますと、JFE京浜がシャフト 炉と言う物を導入し、これに投入するH2クラスの スクラップ使用量が年間50 万tで、月平均4 万1 千~4 万2 千tにもなり、京浜地区に電炉が一つで きたのと同じになります。今は試験運用中で、本格 的な稼動は8 月からとなる見込みです。

以上のような点から、高炉も鉄源確保の為、スク ラップの使用量が増加し、この増加分が日本のスク ラップ輸出量に影響し、輸出量が減少しています。

鉄源確保の状況は韓国も同様で、シュレッダー機 こそ導入はまだしていませんが、スクラップの手当 てに奔走しており、米屑の購入量を増加させていた りもします。(韓国では、国内のスクラップ発生量 は日本ほどなく、輸入に頼るしかありません)

又、スクラップの輸出国であったロシアからも 以前は購入してはいたのですが、ロシア国内の経済 発展に伴い、ロシア国内での使用量増加の為、輸出 量が激減しています 米屑は、到着までの時間がかかる、ロシアからは 物が出てこないとなると、どうしても手近な輸出国 である日本に買い注文が入るという状況が、この 世界一高い日本のスクラップ相場を形成している のです。

そしてこのことが、日本の景気に減速感が出てい るにもかかわらず、今のスクラップ相場が上がり続 ける要因となっているのです。

ではこの先はと申しますと、私個人の見解では、 相場は、まだ上がり続けると言う結論になります。

例年でいきますと、これからの夏場に向けては、 電気使用量の制限などでスクラップの使用量も減 り、荷あまり感から相場が下げへと動いていくので すが、今年は、先に書いたJFE京浜の本格的稼動 や、その他高炉の購入量の増大、そして東京製鐵の 田原工場の立ち上がり、韓国での新たな電炉も立ち 上がることなどから、トータルで見ると、前年比増 となり、これが相場の下支えになると思われます。

先日行なわれた、関東鉄源の入札結果を見てみま しても、6 月積み予定の入札結果は、先高を占めし ました。

以上の観点から、「相場が上がり続ける」と言う 結論になった次第です。 懸念材料としては、今現在のスクラップの価格帯 は、過去に誰も経験した事が無い状況であり、これ による鋼材価格の高騰が、経済に与える影響に、 最終的にはマイナスにならなければいいのです が・・・。

高炉・電炉各社は、増収ではあるものの、原材料 の値上がりや、製品価格転価の遅れからから、最終 的には減益となってしまっています。 又、金属の盗難等の増加も懸念材料の一つとなっ ています。

価格が高いことで良いことは、川原や空き地に 不法投棄されていた空き缶やスクラップなどが、 きれいに片付けられていくことではないでしょう か。(価格のつかないその他のゴミは置き去りの ままとなっていますが・・・)

コラム
先日、中国の四川省で、世界最大級と言われる大地震 が発生しました。この地震による破壊力は、阪神淡路30 倍 だそうで、その規模の大きさに驚かされます。地震の多い 日本、関東直下型もそろそろ来るのでしょうか?

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