リサイクル通信

2008年3月55号】

洞爺湖サミットに思うこと / 新たなヨーロッパの胎動

3月に入り日の光が急に力強くなってきました。今 年の冬は昨年の暖冬とは違って寒さがことのほか厳 しかったせいか、日に日に増す光の暖かさが、気持ち を明るくしてくれます。やはり、季節というものを強 く感じるのはこの時季でしょう。

ところで、私たちを取り巻く経済環境はというと、 企業部門と輸出部門主導によって長期トレンドにあ った日本の景気回復も、この春の訪れと共にピークア ウトしそうな気配です。金融先進国で発生した所謂サ ブプライム問題に端を発した金融収縮と米国の景気 減速が、これまで輸出に依存し過ぎていた日本経済に 影響を与え始めました。また他方において、ドルを支 えていた過剰流動性がドルから商品(資源)へと流れ、 ドル下落と商品の実需以上の価格上昇を招いていま す。BRICsの目覚しい成長が一方にはあるもの の、同時成長を続けてきた世界経済に、大きな調整の バイアスがかかっているように思います。ハイテク金 融?に踊らされた派手な饗宴に市場自らの自浄作用 が始まったのでしょうか。不透明感が一機に増してい ます。

洞爺湖サミットに思うこと

昨年の今月号に、フロンや二酸化炭素の問題で、地 球規模での自然環境の変化が日常レベルにおいても 感じられるようになってきたことについて書きまし た。日常レベルでの現象が頻発することは、既に崩壊 のためのプログラムができ上がってしまっており、事 態は危険水域にすら入っているのではないのかと。

そ れにも関わらず、個人や企業や国家や地域において、 課題認識に大きな温度差があるということ。 さて、今年は、洞爺湖サミット。地球環境問題がテ ーマとして取り上げられ、議長国として日本もイニシ アチブをとるために、積極的に動いているように見え ます。それはそれで結構なのですが、ただ、市民レベ ルへの訴えかけでの盛り上がりに、何か欠けているよ うにも思えるのです。

もっと、メディア等を使って環 境に対する意識を高揚させるとか、具体的行動を市民 に訴えるとか、市民を巻き込み、行動に変化を与える ような、強いインパクトや大きなうねりを起こさせる ような、何かが欲しいと思うのです。 今、進行している地球環境の問題は、人類がつくり だした、人類の生存維持に関わる深刻な問題です。本 来なら我々人間が当り前と思ってきた価値観や行動 パターンを根底から変える覚悟が必要であるはずです。

その意味では文明史観的考察も必要でしょう。現 在の文明を支えた価値観や行動パターンに大きな修 正を加える新たな何か(エネルギー)が必要です。 環境サミットに思うこと・・・それは、制度的枠組 の構築も必要ですが、新たな哲学的理念に基づいた人 類を動かす強いメッセージです。 (しかし、前段で書きましたように、世界経済が大 きな変調を来たしている今、地球環境の問題には熱が 入らないかもしれません)

新たなヨーロッパの胎動

先日、といっても今年1月の話ですが、NHK の「クロ ーズアップ現代」で「ヨーロッパからの新しい風」と題して、 力を持ち始めたヨーロッパの新たな動きを数回にわ たって特集していました。

その中で特に興味深かった のが「カーボンマネージメント」と「低炭素都市」への取り組 みの話でした。 前者は企業活動に関わることで、企業は二酸化炭素 の排出量を管理する「カーボンマネージメント」がしっかりで きなければ、株主や投資家の信頼を失いかねないとし て、厳しい排出量管理に乗り出している話です。

ここ で見て取れるのは、企業行動そのものではなく、企業 にその行動を促す株主や投資家の環境認識であり、ま た、その先に見える企業を取り巻く市民社会の環境に 対する厳しい視線です。このような土壌があるからこ そ、環境に対する市民レベルの動きと制度的枠組みが うまくかみ合って環境対策が進んでいくのだと思い ました。

後者については、ロンドン市の話です。同市は二酸 化炭素の排出量を1990 年比で60%削減する目標を発 表し、行政の強いイニシアチブで低炭素都市づくりを 目指していることです。

市内への乗り入れを規制する 「渋滞税」や市民に省エネを指導する「緑のコンシェルジ ェ制度」の導入等々、東京をイメージしながらこの話 を聞いていると、この挑戦的な取り組みに驚かされま すが、またそれを積極的に受け入れ、支持しているロ ンドン市民の環境意識の高さにも驚かされました。

近代ヨーロッパ文明は、ある時期より後発のアメリ カ文明に覇権をとられてしまいましたが、地球環境と いう考え(価値観)をベースに、新たな持続可能な文 明を再構築し出しているかのようにも感じました。 新たな文明の風は、いつも西から吹いてくるのか と、日本人の私には、ちょっと寂しい気がしました

一覧に戻る

お問い合わせ

お困りごとや気になることがありましたら、
お気軽にご連絡くださいませ。
無理な売り込みをすることはありませんので、安心してお問い合わせください。

電話のアイコン04-2947-8870

8:30〜17:30
(日祝、第2・4土曜、夏期休暇、年末年始除く)

トップに戻る