リサイクル通信

2008年1月53号】

今年の鉄スクラップ相場

新年明けましておめでとうございます。 本年も変わらぬご愛好をよろしく御願い申し上げます。

2008年の幕開けが始まりました。昨年はほぼ 一本調子に近い上げ相場でした。これは例年とは又 違った動きで、スクラップの動きは、グローバルに なったと改めて思い知らされました。

アジアマーケ ットでは、アジア地区のみでスクラップ価格が構成 されている訳ではなく、米屑の輸出価格の変動や、 トルコ等の購入価格の変動、原油価格の上昇に伴う 船賃の上昇、高炉の購入量などさまざまな要因によ って決まってきます。

私はいくつかのポイントを見ながら動きを予想 するのですが、それも最近は複雑に絡みすぎて直近 しか判らなくなってしまっています。(以前から 「あまり当たってないよ」とのご指摘もあるやもし れませんが、お許しください。)

さて今年もいつものタイトルで始まりましたが、 またまたお怒りのご指摘を受けるかもしれません が、はっきり言って判りません。 価格形成には、いくつかの要因はあるのですが、 国内を需要面で見ますと、昨年の姉歯問題に端を発 した建築基準法の改正に伴う建築の落ち込みがあ ります。法律は早急に作ったのですが、対処方法が しっかりできていなかった為、許可が遅れに遅れ年 末まではと思われていたのが、今年の3月頃までは 駄目だとか、6月頃まで駄目だとか、今だはっきり 見えてこない状況にあり、その間に原料高から、製 品価格は上昇していく形となり大丈夫なの?と思 わず思ってしまうのですが・・・。

ただ高炉が作る高級鋼板は順調な様で、高炉と電 炉の差が出てきているのが現状の様です。 次に海外で見ますと、サブプライム問題で、米景 気の減速による世界景気の減速が上げられます。 実はこれについても意見はまちまちで、BRIC 諸国が世界経済の真の索引役で、さほど影響は出な いのではとか、世界景気拡大に急ブレーキがかかる のではと見方が様々で、はっきりこうなると言うの がありません。しかしスクラップの将来を見据えた 動向には、注意する必要があると思います。

日本国内では、高炉の生産量は順調である上に、 二酸化炭素問題や鉄鉱石の上昇から、スクラップの 配合比率を上げている事によるスクラップの購入 量の増加、東京製鐵の田原工場稼動によるスクラッ プ購入の増加(高炉と同じ高級鋼板を作るそうで す)があります。

海外で見ると韓国だけでも5基の新設電炉の稼 動が始る事や2基の再稼動によるものだけで、今後 3年間の予想されるスクラップの需要増加は 5 00万t以上とも言われ、その他でも、ブラジルや ベトナム、中国などでも新設又は増強により、スク ラップの使用量は大幅に増加することが予想され ます。

何にしても、世界の粗鋼生産量は、12億tの 時代から13億tの時代へ突入すると言われ、1年 間と言うスパンで見ると、今現在の価格がベースと なりこれから若干の上げ下げと、底値を上げた形で 推移すると思われます。 こうしてみると、鉄鋼に関して、特にアジア地区 は景気減速の予兆が見られないのですがいかがなものでしょうか? 以上の観点から、直近の1月から3月にかけての 相場は、概ね横這いから若干の上げ下げで推移する のではないでしょうか?

それ以降は、上記に記載した通り、近場の韓国で の新設電炉が順次立ち上がり始める為、価格は引き 締まり、上がっていくものと思われます。 このまま新価格帯(現在の高値)で推移しますと、 世界的にメーカーの再編がさらに加速することも 予想され、国内においても採算がきつくなる電炉 は、海外メーカーの敵対的買収のターゲットにされ やすく、警戒が必要となります。 以前にも書いたのですが、世界でも高い技術力の ある電炉なので、何か国策での防衛を御願いしたい と思う所です。

コラム
ラニーニャー現象の影響で昨年の夏は暑かったのですが、 今年の冬は、寒くなる可能性があるそうです。 空気が乾燥しますと、風邪、インフルエンザが流行しますの で、皆様においても体を壊さぬようお祈り申し上げます。

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