(処暑の阿蘇)
電炉シフト
日本国内に於けるエネルギー起源Co2排出量は、約10億トン弱であり、その37%を産業部門が占めています。それが約3億5千万トンであり、鉄鋼業は、1億3500万トンと38%を占めています。そしてその90%以上を高炉が排出しています。
鉄1t当たりでみると、電炉法による製鋼法では、高炉の1/5と大幅に少なくて済んでいます。高炉でなくては作れない鉄鋼製品も多いのですが、2050年のカーボンニュートラルに向け、徐々に電炉に置き換える動きが出ています。直近の例では、日本製鉄が、八幡200万トン/年、広畑50万トン/年、山口40万トン/年と290万トン/年の計画があり、JFEスチールでも倉敷に於いて200万トン/年の計画を発表しています。現在の日本の電炉生産量は2,200万トンであり、新設電炉で2割以上増える事になります。特に、西日本地区に新設電炉が集中していることもあり、300万トン程度が不足すると予測されています。東京製鉄も今年、東京湾岸にスクラップの購買拠点を設けています。
この増設計画は、稼働が28年から29年に集中している事もあり、需給環境が変わる可能性は高いと言えます。一方で、国内での鉄スクラップ発生量は、2,700万トン/年で、既設電炉での消費量は、2,100万トン/年と600万トン程度の輸出で均衡を図っている事から、日本全体で見れば、充足していると言えます。しかし鉄スクラップは国際流通商品であり、現在の主要輸出先である成長著しいベトナムなどが購買の手を緩める訳もなく、需給はタイト化していくと思われます。
屋外保管条例
今年の1月、埼玉県では、いわゆる屋外保管条例が施行となりました。全国的にも多いのですが、街道沿いの空き地に、鉄板で囲いを設け、金属スクラップを購入する業者が非常に増えました。非常に簡易なヤードですので、土壌汚染対策、騒音振動対策など皆無と言っていいかもしれません。さて、なぜ彼らは何の取り締まりも受ける事もなく、これまでやってこれたのでしょうか?
産業廃棄物の処分を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、(中略)、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの処分を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。(廃棄物処理法第14条第6項)
産業廃棄物の処理業者であっても、もっぱら再生利用の目的となる産業廃棄物、すなわち古紙、くず鉄(古銅等を含む)、あきびん類、古繊維を専門に扱っている既存の回収業者等は、許可の対象とならないものであること(昭和46年10月16日環整第43号通知)
これらの法によって、廃棄物処理法の規制外になっていた為です。昭和の時代には、ヤード業者なども少なかったのですが、近年では非常に数が増えた事もあり、本年の規制となりました。
既存のヤード業者は、6月30日までに届け出をすることになっており、保管の高さ、火災防止措置、ねずみ、害虫対策、飛散流出対策、騒音・振動対策は、施行から6か月間の猶予期間を経て、7月1日から規制が始まっています。産業廃棄物の積み替え保管といった許可内容に近い規制となっており、他県では既に2~3割のヤードが閉鎖になった様です。
8/7は、立秋でしたが、まだまだ暑さが厳しく、秋と言われてもピンときません。易経では、その中にも変化の兆しを感じ取り、次の変化への準備を進めなさいと述べています。
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