リサイクル通信

2017年3月164号】

私の呟き

(偉そうな私/平成29年2月)

私の名前はミー。生後11か月の雌ネコです。昨年の5月に、どこかに捨てられていたのを、最終的にここの会社が引き取ってくれた。ここの人たちには大変感謝している。もらわれてきたころ、あまり、ミー・ミーと鳴くので、ここの会社の専務が「ミー」と勝手に私の名前を決めてしまった。最初は、あまりにも芸がなさすぎると思ったが、呼ばれているうちに、まあいいかな、と思い始め、今ではこの名前が気にいっている。さて、ネコの分際で、このリサイクル通信に私の呟きをのせるのはどうかなとも思ったが、今や、アメリカの大統領も呟きで世界をうごかす時代、ネコが呟いてもおかしくないだろう・・と思い掲載させてもらった。(ちょっと、例えがおかしい・・)

私の呟き

さてこの会社の一日の朝は早い。朝6時半前には

役員が出社し会社の門を開け、パソコンや計量機の各種器械を立ち上げ、7:00よりのスクラップの出荷に対応する。会社の対外的な始業時間は8:00からだが、10分前には全員で朝礼。ラジオ体操をした後、各セクションの担当者からその日の作業内容の発表があり、組織全体の一日の動きを全員が共有する。間違いなく、安全に、そして効率的に作業するには、一日の時間軸の中での有機的な結びつきが何より重要らしい。  

8:00なると、鉄や非鉄屑を積んだお客さんが入ってくる。お客さんは千差万別だ。解体業者や工場系の金属屑を運んでくる人、建築屋さんや電気屋さん。古くなった農機具を持込む農家の人もいれば、家庭で使わなくなった鍋や釜を持込むご近所さんもいる。彼らが持ち込む全てがリサイクル資源だという。これらのスクラップが資源として効率よく利用されるには、徹底した選別が必要らしい。スクラップの形状や素材構成により、各担当者が長年養った目利きと検収表に基づいて検収する。いわゆる値付けだ。素材構成や形状により適正な価格を割り出す。これが信用を生み出すらしい。この価格付け・・、噂話では業者により温度差があるらしい。私を拾ってくれたこの会社は、非常に精緻に値付けをしている。

一部のお客さんからは厳格すぎないかとの声も聴かれるが、このことがかえって、お客さんに信頼感を与えているらしい。買い取られた鉄・非鉄スクラップは、徹底した選別を施すため、形状や素材構成等により、破砕選別セクション、プレスセクション、切断加工セクション、選別レディースセクション(レディースはちょっと言いすぎか・・)等に回される。これらのセクションでは単独で、或いは機能的に結びついて、質の高い選別を行う。何種類にもグレード別に分けられたスクラップは電炉メーカーや非鉄メーカー等に納入されるが、ここでは、納入品質がメーカーとの信頼関係の基本となる。ここでも、この会社の正直・真面目さがいいらしい。そう言えば、この会社、朝礼で唱和している経営理念の中に「・・正直であることを旨とし・・」などの言葉が見える。やはり正直・真面目さはこの会社DNAらしい。

ところで会社の社歴を見ると、この会社、先代の現会長の父が昭和12年に個人事業としてスタートしたらしい。その後、昭和26年に法人成りし、現社長で3代目とか。何と創業から数えると今年で80周年ということになる。私の寿命が10年とすると何と8倍の長さ。先の大戦・戦後の混乱期・高度成長期・バブル崩壊そしてリーマンショックと歴史の風雪に耐えて生き抜いてきたのはこの正直・真面目さ故かもしれない。バカ正直は時には損もするが、長い歴史的スタンスでみれば、ゴールデンポリシーということか?

 さて、ここのところ、会社にも徐々に活気がもどってきたような気がする。カウンター越しに見えるお客さんの出入りも多くなってきたようだ。事務所の人達の会話に耳を傾けると、鉄・非鉄価格が上がり始めたことが要因らしい。何やら、中国の鉄鋼製品の供給圧力が徐々に下がり始めたこと、米国経済が好調なこと、資源価格が総じて回復し途上国の経済も底堅いこと、また当の中国経済もインフラ関係の投資が底堅いらしい。日本国内も消費は今一だが、設備投資は持ち直しているらしい。そんな動きがこの会社に多少影響を与え始めたのかも知れない。

さて、この動き、いつまでつづくのか?景気循環論的には、短期から超長期までの古典的な4つの景気循環がこの数年間、共に上昇局面に入るとか?本当かしら?まあ、それはさておき、もしそうなら私もうれしい。この会社の収入が増えれば、私の食事ももう少しグレードアップするに違いない。飼われている身で偉そうなことは言えないが、私だっていつも机の下で眠っているわけではない。従業員の癒しとして頑張っているんだから。ア、ヤバイ常務が帰ってきた。愛想をふりまかなくてはニャー!

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