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5月号の配信が遅くなり申し訳ありませんでした。
鉄スクラップ相場ですが、暴騰の後の暴落が今現在も継続中と言う状況にあります。昨年は、東京製鐵で見てみますと、6月3日の上げの後、その後下げに転じ、7月に再度若干上げに転じましたが、 8月に入るとすぐ下げとなり、12月10日迄下げが続きました。ちなみにこの間の下げ幅は、H2と言われる標準的なスクラップ価格で¥12000/tも暴落しました。その後上げに転じ、このまま翌年の5月の連休迄、ダラダラ上げ相場に移行すると思われた矢先、新年を迎えた1月8日に再度価格を下げてきました。ただその時は1回のみの下げで、2月11日より再度上げとなり、例年のピークとなるゴールデンウィーク迄に¥10500/tの値上げとなっています。11月3日の最安値から見ますと、¥11000/tとなり、ほぼ下がった分が戻った感じとなっています。
その後の暴落が早く、5月20日には¥3000の下げを皮切りに僅か1週間で¥7500も下がってしまいました。これには驚きで、この様な急落は、リーマンショック以来の衝撃で、業界 関係者は、悪夢の再来を彷彿させたのではないでしょうか?東京製鐵は、ここ2回程は宇都宮の価格を据え置いて様子見に入っています。何故にここまで価格が動いたかと申しますと、下げの相場の時には、中国国内の製品状況も良くなく、政府からの 減産や統廃合の支持は出ているのですが、労働者の解雇につながる為、地方政府は混乱を恐れて積極的に動かなかった事により益々製品市況は悪化し、それを補う為に安値で、海外に製品・半製品を輸出したことが挙げられます。
これが全世界的に製品価格に影響し、そしてスクラップにも多大なる影響を与えました。上げ相場の時はと申しますと、まずベトナムが自国の産業保護の為に、中国から入る半製品のビレットに対し、セーフガードをかけ、その替りにスクラップの輸入を増やした事が挙げられます。今迄、あまりベトナムの影響はなかったのですが、これにより、アジア地区のスクラップ価格にも影響し、韓国・台湾もベトナムの購入価格を意識して価格の見直しをした事や、中国には、製品の先物市場なるものがあるそうで、第13次5ヵ年計画で発表されたインフラ整備を意識してか、一気に先物市場が活況となり、一年分もの取引量が動いたとも言われています。それにより、休止していた高炉も再稼働させ、更に淘汰されるべきゾンビ企業も復活してしまい、せっかく統廃合に向けた中国の国策も元の木阿弥となってしまいました。そしてこの増産により又々溢れた安値の鋼材が世界に出て行く事となり、去年同様の相場下げの展開となっています。ただ今回は予想以上に早いですが・・・。
昨年との違いは、米屑価格のトルコ向け輸出価格と韓国などのアジア向け輸出価格の開きが大きい事です。通常、スクラップ価格は、世界的に連動していくのですが、今回の下げについてはトルコには大きく影響していません。確かにトルコ向け価格も下がっているのですが、その差は100ドルにもなり、 フレート差を考えても80ドル~85ドル、日本屑との品質格差を加えても70ドル~75ドルと 日本円にして¥7700~¥8250(¥110/1ドルと 仮定)もの開きがあります。何故かと考えますと、中国の影響は立地的に近いアジア地区ほど顕著に出やすいと言えるかもしれません。ただ世界の粗鋼生産量の半分を占める中国の影響は世界的にも大きい為、今後トルコ向け米屑価格にも影響が出る 可能性はあります。この前のG7でも取り上げられた様に、中国の粗鋼生産については問題視されている事から、今後中国側で何らかのアクションがあるかもしれません。ただ中国故に、あまり期待しない方がいいかもしれませんが・・・・。
世界経済が不安定な時期故に、各国が自国保護に動き出してしまうと、より不安定に拍車をかけてしまう為、今迄とは価格の動き方も違ってくる可能性があります。 取り敢えず直近で見ますと、相場は弱含み横這いで、7月に入り、例年の通り上がるかどうかと言うところでしょうか?下がる所まで下がっているので、その時の上げに期待したいものです。
コラム
今年はエルニーニョの影響で暑い夏になりそうです。すでに その兆候は春先から出ていたのを感じられていた方も多いのではないでしょうか?これから梅雨時を迎えて夏本場を迎えますが、いつもより暑い夏に注意が必要かもしれません。