横浜・みなとみらい
アルミの需給バランス
LME価格が下落しています。2/29に今年最高値の1621.5ドルを付けた後、3/24の1469ドルまで一気に下がりました。実に152.5ドル下がったのです。
今、世界のアルミ生産の約半分を中国が生産しており、同時に世界消費の約半分を中国が使用しています。中国でも世界景気の減速に伴い、減産の方向にあったのですが、ある大手アルミ精錬メーカーが、減産はしないと発表しました。これによって、需給の引き締まり期待は、霧消し大きく値を下げる結果となりました。世界的な需給バランスに於いては、協調減産よりも、シュアを取りに行くインセンティブが働きやすい事になります。
むしろ世界各国にあるメーカーが協調する事が難しいという事なのだと思います。4月に入り、サミットに向けて金融緩和などの期待などから、少しLMEも戻しておりますが、下がった分の半分にも満たないレンジであり、まだまだ価格低迷の様相です。一方で、T社が決めた4月からのアルミ合金は、市中価格よりも大幅に安い価格の様です。日本国内のアルミ二次合金メーカーもこれに合わさざるを得ず、4月後半から国内市況も下げ基調となると思われます。
鉄の市況上昇
アルミの市況とは、反対の動きをしているのが、鉄のマーケットです。海外市況に牽引される形で、上昇しています。トルコ、やベトナム、韓国といった輸入国で引き合いが強まった為、日本も湾岸での輸出価格に牽引される形で、上昇を始めております。しかし、建設需要も弱く、97万戸程度であり、建築向けの丸棒市況は冴えない状況です。経済産業省が発表した4-6月期の鋼材需要見通しは、前期比2.7%減、前年同月比3.8%減であり、電気炉メーカーにとっては、逆風の強い春と成ったようです。
景気減速・日本の未来
最近、景気の減速といった記事をよく目にします。日本経済新聞を見ますと、日銀短観、CI、生産指数など軒並み下落しております。一方で有効求人倍率などは、改善を続けています。本来であれば、景気の改善に伴い、求人などが行われるのですが、景気が悪化していながら求人倍率が増えています。この要因としては、就労可能者人口の減少が挙げられると思います。毎年100万人ずつ減っていくそうです。その中で、給与は上がっているのかと言えば、2010年比0.9%UPと全くと言って良いほど増えていません。
しかし、社会保険料のUPを勘案すると、実質可処分所得は、減少していると言って良いかと思います。これでは、デフレ脱却などと言っても難しいかと思います。これに対し、現在政府では1億層活躍社会と銘打っていますが、本当に社会の目指す方向なのでしょうか?本来であれば、そこには、選択の余地が無ければならないと思います。働く事を希望する全ての人にチャンスがあるのは、望ましいあり方だと思いますが、無条件に働けと言うのは、いかがでしょうか?お国の為に働け、という事ではないと思っておりますが、、、、
また、生産性の向上も提示されています。この議論の行き着く先は、ごく僅かな労働のみで、余暇を謳歌する社会です。本来、ベーシックインカムの議論もこの延長にあります。生産の大半は、機械化され、創造的な部分や設備の管理などをごく一部の労働を担っていく社会です。AIの発達などにより、自動運転なども進んで行くでしょうし、そうなると運転手といった職業は無くなって行きます。既に鉱山などでは、自動化されたトラックなどが活躍しております。もっとも現在の政策は、もっと近視的な理由でしょうが。しかし、冷静に考えてみると、マズローの5段階欲求説の最上位に位置するものは、自己実現の欲求です。働く事や、何かに向かって努力する事で、自己実現を図っていくといった事です。また、ニーチェはこんな事を述べています。
「高みに向かって努力を続けることは、決して無駄ではない。今は無駄が多くて徒労のように見えるかもしれないが、少しずつ頂点へと進んでいるのは確かなのだ。今日はまだ到達にはほど遠いだろうが、明日にはもっと高みへと近づくための力が今日鍛えられているのだ。」
子供達が社会に出る頃には、自身の選択の中で、自己実現を図る社会を目指す事が、我々の使命かもしれません。