つい先頃まで寒い日々が続いていたと思っていたら、一転気温が上昇し20 度を越える日々。おまけに、大量の花粉と中国大陸からの黄砂?それにしても驚くのは、やはり、今年の花粉の量の凄まじさです。私の実家の裏には樹齢2百年程度の杉の木が2 本ありますが、黄色く咲いた杉の花-その花粉の重さに枝が耐えられず折れる始末です。杉の木達は子孫を遺したいが為に狂ったかのように激しく花粉を生み出します。
花粉症の友人は、その苦しさ故に、日本の山の杉・檜を全部切り倒してしまえと叫んでいましたが、彼の症状をみるとわかる気もします。しかし、杉の木達には何ら罪はありません。やはり、戦後の森林・林業政策の失敗によるところもあるように思えます戦争中に荒廃した山を元の緑豊かな山林に戻そうと官民をあげて植林に努め、森林再生の土台をつくるまでは良かった。
しかし、その後のメンテナンスがいけなかった。北欧やドイツ、オーストラリアの森林政策に見られるような、しっかりとした長期的なビジョンとそれを支え維持していく制度的しくみが不十分であった。日本の高度成長期に戦後の限られた国富を工業化に向けて傾斜投入したからこそ今日の日本の繁栄がもたらされたことも疑いのない事実。しかし、その注がれたエネルギーの一部でも、森林政策とその実現に向けられていたら、日本の森林風景は変わっており、こんなにも花粉症で悩ませることにはならなったかもしれません。
先進国のなかで、フィンランドに次ぐ世界第二の森林率を誇り国土の約7割弱を森林に覆われている日本です。これまでの素材的意味合いや国土保全的意味合いに加え、温暖化対策的意味合いや再生可能資源的意味合をもち、更には、人間の営みに、潤いや癒やしを提供してくれる森林。決して彼の言うように切り倒してこの地上から消滅させてしまうような存在ではありません。その意味で、現在、国が進めている「森林・林業再生プラン」は、戦後の森林政策の反省と今日的森林の意味合いを再定義して進められている国家プロジェクトであり、期待したいところです。
期待が動かす経済
このところの株価の急上昇と急ピッチな円安の進行を、昨年の12月に政権が変わった時点で、どれだけの人達が予想していたでしょうか?何がしかの変化を期待して安倍政権が誕生したことは間違いないですが、しかし実際に実行したことは、大型補正予算と日銀人事ぐらいで、後はすべて今後のことで、今のことではありません。それなのにこの経済環境の変化は凄まじいものがあります。
経済学には期待理論なるものがあるということですが、これほどまでに実体のない期待というものが大きく経済を動かすことに驚きを感じます。人の心を動かし、行動に変化をもたらす期待の力学が、単純に「期待の大きさ×実現可能性」の積の大きさで表されるとすれば、前者について言えば、(数年間の所得の減少等故に)国民の期待は嫌が上にも膨らんでいたことは推測できます。
さて後者についてはどうか?安倍政権が打ち出した所謂「三本の矢」が、それを担保するとの強いメッセージ性を有しており(何かやってくれるだろうとの)擬似的実現可能性を人々に植えつけたことは確かです。これにより、積としての期待の力学は増幅し、金が動き、米国経済の復調と相まって日本経済に変化をもたらし始めたと言えます。始めに期待ありき?しかし、その後に続くものは、経済的実態=実際の生産活動の活性化であり、所得の増加であり、消費活動の活性化でなくてはなりません。そのためには擬似的実現可能性を実現に至らしめなければなりません。今度こそ国民の期待を裏切らないことを期待したいです。