3 月になり、日の光も強く、日に日に暖かさも増してきました。山々の木々も薄っすらと煙るように萌え始めました。何がしか気分も明るくなってきます。冬から春への季節の変化は心に潤いを与えてくれます。
景気がどうの、こうのって
「-景気は、持ち直してきているが、自律性に乏 しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳し い状況にある-」
これは先月2月22日に内閣府が発表した月例 経済報告の冒頭の言葉です。
「-景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状 況にある-」
これは昨年2月19 日に内閣府が発表した同報告 の冒頭の言葉です。フレーズは短いですが、読む と昨年の痛みが甦えってきます。まさに需要が消 滅していく瞬間です。そしてその一年後、最初に 挙げた月例経済報告は、まだ厳しいトーンは残し ながらも、景気の持ち直しを伝えています
また ニュースでは今月15 日に閣議決定する3月の月例 経済報告で、景気判断を8ヶ月ぶりに上方修正す る予定だとも伝えています。中国等の海外成長セ ンターの想像以上の成長のおかげで、力は欠ける ものの日本もプラス成長に転じつつあります。昨 年12 月ごろ、2番底到来と危機を煽っていた論評 はさすがになくなりました。 話は変わりますが、日経新聞の月曜日版に週一 回、「景気指標」という紙面があります。
見ている 方も多いと思います。私も深く数字を読み込む力 はないのですが、眺めるようにはしています。国 内総生産始め各経済指標が時系列に一覧で見られ るので便利です。国内だけではなく、米国、アジ ア等の主要国の指標も掲載してあるので、国別の トレンドも比較でき、経済の動向を自分なりにイ メージングすることに役立っています。例えば、 以下、独り言のように・・、「・・国内生産指数は 昨年3 月以来前月比増加を続けているな。消費が 冷え込んでしまっているなんて言っているけど、 世帯消費支出が昨年8 月より前年比プラスに転じ ているじゃん。
厳しい厳しいと言っていながら、 企業も10 月-12 月の第3 四半期は営業利益を前年 比大幅に改善させているし・・。今年になって建設 工事受注前年比もプラスになったな。どれも確か に去年の落ち込みがひどく、その反動的要素もあ るけど・・、そこに焦点を当て過ぎるのもトレン ドを見落とすかもしれないな。あれー、リーマン ショックでボロボロと思っていた米国が昨年7 月 ―9 月には国内総生産がもうプラスに転じている じゃん。
想像以上に回復力が強いじゃないか。貿 易収支の赤字が昨年5 月に底を打ってからずーと 拡大しているし・・。なんだかんだと言っても結 構、輸入も増加しているということじゃない?新 興国経済にばかり目がいっているけど、米国を日 本と同じように見てしまうのはまずいな。人口が 縮小している日本と違って、今でも人口が増加し ているし・・・」等々。
確かに、深い知識や洞察なく、データのうわべ だけ見て、かってに解釈してしまうのも危険です。 ただ、評論家という人たちが、その時々の雑誌や 新聞で、景気についてのコメントを書き立て(実 態としては仮説的なものが多いのでは?)、ただそ れを鵜呑みにしてしまうことの方が、現代では危 険なような気がします。鵜呑みにされた情報は 次々と無防備な私たちに伝播し、それが世論を形 成し、世の中をそんな気にさせてしまいます。
景 気の話だけではないですが、今は情報が自分の意 図とは関係なくあらゆる方向から入ってきます。 考える間もなく安易に権威をもっているような情 報に乗ってしまいます。受け売りではなく、生の データや変化に立ち返ったうえで、敢えて危険を 承知の上で、自分の頭で考えてみる習慣をつける こと。
実は、現代ほどそれが必要な気がします。 竹中平蔵さんが1 月7 日の日経新聞の「経済教 室」の中で、常に経済社会をバランスある状態を 保つ仕組みの一つとして国民の「経済リテラシー」 を高めることだといっています。庶民感覚からす るとハードルが高い要求ですが、せめてまず、自 分の頭で考え判断してみる、というプロセスを設 けることは、誰にでも出来るのではないでしょう か。 ・・・あれ~!もしかして、これって、受 け売り?(自戒)・・・。