今年、2つの改正が行われ契約書の見直しが必要になってお ります。この点について同時期に出されたガイドラインとの関 係を見ながら考えて見たいと思います。
さて、この問題について来店されたお客様などと話をする機 会があるのですが、ガイドラインと施行規則の区別がきちんと なされていない事が多々あります。
それでは、法令として改正された部分について確認してみた いと思います。(①、②の2項目です。)
① 産業廃棄物の処理委託契約書に含まれるべき事項 ・ 変更に関する情報の伝達方法を廃棄物処理委託契 約事項に追加する。
これは、法の決め事ですので契約書を変更しなくてはなりま せん。ここで、ガイドライン(WDSという情報提供カード) の話が出てしまったので、法令=WDSの様な混乱が起きた様 です。中には、WDSを使えば契約書の変更は要らないといっ た様な誤解も起きている様です。
まず、この問題を整理してみましょう。この2つは、共に情 報提供に関するものです。理想の想定で考えますと、WDSを 契約前に、排出事業者が処分業者に提示し(a)、排出数量、 単価を決めて契約書を締結する。その際に廃棄物の性状が変わ った場合の伝達手順を決めておく。
この契約書では、「性状等 に変化が生じた場合には、書面等にて提示する」と記載しまし た(b)。半年経過後に廃棄物の種類が変わり、再度WDSを 処分業者に提出しました(c)。
さて、この1連の流れの中で、今回の法改正で規制されてい るのは、(b)の部分だけなのです。(a)については、既存の MSDSシートでもいいのです。あくまでも見本の提示という のがガイドラインの位置付けとなっています。また、(b)の 部分で、「性状等に変化が生じた場合には、書面等にて提示す る」と契約書に記載した事が、法令改正①への対応の部分なの です。
WDSについても、弊社の場合は、金属くず中心のお客様が 多いので、性状の変化と言われてもイメージしにくいと思いま すが、例えば薬品などの廃液を処分する場合を考えるとWDS の有効性が見えてくると思います。 排出事業者が、使用中の薬液のメーカーを変更したが、処理業者 に通知しなかった。処理業者が、従来と同じものだと思い、中 和や化学反応を利用した処理中にガスの発生事故が起きた。と いったケースなどが容易に想像出来ます。
② 日本工業規格JIS C0950に関する情報伝達の 規定。
これだけ見るとなんだかさっぱり分かりません。まずは、こ のJIS C0950の中身を見て見ましょう。
これは、PC等7製品について、製造段階で有害物の含有が分 かっている場合には、このJISマークをつけなさい。という ルールで7月1日からスタートしました。せっかくなので、こ れを利用しようというのが、今回の改正になります。さて、そ れでは、該当製品と該当有害物についてみてみましょう。
「対象製品」 廃パーソナルコンピュータ、廃ユニット形エアコンディショナ ー、廃テレビジョン受信機、廃電子レンジ、廃衣類乾燥機、廃 電気冷蔵庫、廃電気洗濯機
「対象有害物」 鉛又はその化合物、水銀又はその化合物、カドミウム又はその 化合物、六価クロム化合物、ポリブロモブフェニール(PBB)、 ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)
この対象物で、平成18年7月1日以降に製造されたものに は、含有マークの表示が義務付けとなります。
併せて契約書に も処理物に含有マークが貼付されている旨を、提供すべき情報 として加える事になりました。これは、施行規則の改正ですの で、必ず対応しなくてはなりません。つまり、契約書の変更が 必要になります。
これについては、経過措置が設けられており、 契約更新時までは、適用が猶予される事と、施行以前の製品に ついては、適用外とすることになっております。 さて、現実的に考えると、有害マークの付いた製品をどんど ん作るメーカーは無いだろうと思います。
これだけ環境問題が クローズアップされている現状では、あえて企業イメージを害 する有害マークが氾濫するとは思えないのです。一方、受けて 側の処分業者としては?といいますと、実際は受け入れ出来な いのです。現在、業界の団体である(社)日本鉄リサイクル工 業会から環境省に「有害マークのついた物品が発生した場合の 対応」を問い合わせていますが、まだ決まっていないと言う事 だそうです。なんとも片手落ちですが、現状では、有害マーク の伝達について契約書に織り込み、法令に対する対応を済ま せ、現実に出てこない事を祈る!と言った所でしょか??? 詳細がはっきりした段階で、また皆様にはご連絡したいと思います。
リサイクル通信もお蔭様で4年目に入りました。
今後とも宜しくお願いいたします。