リサイクル通信

2006年7月 【36号】

気候変動 / 京都議定書

梅雨明けも真近。そろそろ、真っ青な空と、白く光輝く入道雲が待ち遠しい気持ちになってきました。(この原稿が皆さんのお手元に届くころにはあるいは実現しているかもしれません)。毎年繰り返されるこのうっとうしい雨とじめじめ、できることなら避けたいですが、亜熱帯のモンスーン気候の影響下にある日本から脱出しないかぎりそれは無理な話です。 しかし、このうっとうしい季節がなかったら、生物多様性を育む、水と緑豊かなこの国土は生まれなかったったに違いありません。その意味ではより多くの恵み(恩恵)のために、この季節を甘受しなければならないのでしょう。

気候変動

ところで、昨年に続き今年の夏も厳しい暑さが予想されますが、体感的には着実に気温が上がっている ように思われてなりません。

今年の5月に、夏日が現れ、子供たちが水着で水遊びをしている姿がテレビ映像に映し出されました。また、それに先立つ数ヶ月前にNHKの番組で、二酸化炭素の緩やかな増加をベースに「地球シュミレーター」(スーパーコンピューター)が予測した50年後?の日本では、5月から恒常的に夏日になるとのことでした。

今年5月の夏日は、「地球シュミレーター」の予言を超えて、50年を待たずして、急速に温暖化が進んでいるのではないかと思わせる出来事でした。

地球温暖化の危機意識の象徴として、極地の氷が解け、水面が上昇し、海抜の低い南の島が海に没するという話しはよく聞きます。しかし、もっと意識を自分の身近に引き寄せて考えてみると、熱帯・亜熱帯の地域が北上するわけですから、食物事情は一変することが予想されます。

世界の穀倉地帯の幾つかは、消滅するかも知れませんし、世界の穀物生産量の構成も様変わりことが考えられます。スーパーへ買い物に行っても、今のように手軽に抱負な食材を手にいれることができるのでしょうか。さらに、動植物はもとより、我々人間自身への影響―人体への影響も出てくるかもしれません。気温上昇に対する身体の適応能力は、民族や人種によって、また年齢構成によって、あるいは性差によっても違いがでてくるかも知れません。世界の人口動態にも影響してくるでしょう。

京都議定書

ところで気候変動要因の抑制については、世界が関心を持ち、特に、温暖化要因である二酸化炭素の排出については、その抑制の具体的行動が「京都議定書」に定めたられたことは周知のとおりです。この議定書の実効性についてちょっと考えてみたいと思います。

議定書では、先進国の温室効果ガスの抑制が定められています。温室効果ガスは二酸化炭素以外にもありますが、温室効果を二酸化炭素換算で数値化し削減目標が定められいるそうです。

議定書の批准を巡っては米国が参加をしないことで、その実効性が問題となっていますが、他方で、成長著しい途上国が、具体的な排出制約を負わされていないところに危惧を感じます。

中国をイメージするまでもなく、今や経済活動が活発で成長著しい、そしてなによりも環境技術の未成熟な途上国の温室効果ガスの排出量をコントロールすることが肝要です。

とは言っても、経済のグローバル化が進んでいる現在、その成長を止めることは世界経済にとってはマイナスです。彼らに削減目標などといったら、歴史的にみて、確かに先進国のエゴでしょう。

しかし、それを放置すれば、聖書のノアの箱舟ではないですが、富獲得の経済成長が破滅へ向っての成長となりかねません。 そこで、期待したいのが、京都議定書のなかで、用意された「京都メカニズム」(一定のルール下の国際間協力スキームを認める)の中の「排出権取引」です。私は市場経済の熱烈な信望者ではありませんが、マクロ的に人間の行動を吸上げて、ある方向に流すには、やはり市場経済に取り込む仕掛けが必要かと思います。

途上国は環境技術が未成熟だけに、潜在的排出権は膨大と考えられます。途上国にとっては、環境技術の導入による温室効果ガスの削減は商品価値のある排出権の顕在化に繋がるのです。そして、成長発展のために必要な外貨調達の新たな手段となるわけでから、インセンティブが強く作用するはずです。

ヨーロッパの一部の国・地域単位等では、排出権取引の動きが、京都議定書とは連動しないかたちで、すでに始まっているようです。地球規模での温室効果ガス抑制の実効性を高めるには、国連等による排出権の複雑な認定方法の改善を含め、使い勝手のよい市場を世界規模で育てていくことが望まれます。

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