リサイクル通信

2006年4月 【33号】

廃棄物処理法とは・・・

ここ数年、廃棄物処理法は、毎年改正を重ねてきました。それによって、排出事業者責任といったものや、欠格要件、リサイクルなど色々な言葉が出てきていますが、法改正が一段落した今、もう一度おさらいをしておきたいと思います。

さて、まず始めに廃棄物とは何かという事です。 実は、これが一番大きな問題なのです。他人から見てごみに見えても、本人にとっては必要な物かも知れません。また、本人には、不要でも誰かが必要だったりする。そして、いよいよ不要物だとなった時、それは、一般廃棄物なのか、産業廃棄物なのか?委託手順は?など悩む事だらけです。法が複雑な上に、判断を誤ると罰則という事になります。

今回は、この定義の問題を整理してみましょう。 廃棄物処理法は、人が社会生活を送るにあたって、衛生的な暮らしを実現する為にあります。これが、前提となります。

まず、廃棄物であるかどうかは、所有者が決定します。自分で使用する意思が無く、また他人に利用してもらう事も出来ない。そんな場合は、廃棄物であると決定し、適正処理の手順へと進む事になります。逆に、他人が見て、ごみだと思っても、所有者が必要だと言っている場合、行政や、警察が、それは廃棄物だと決める事は稀だと思います。

つまり、主観が優先されるのです。それに対して、EUでは、客観性による判断として「処理すべきもの」という基準があります。周辺環境に著しい影響がある場合などに適用されているようです。日本でも、時折家の周りにまでごみを積んでいる人がいますが、本人の主観が優先されるので、立ち入る事が難しいのです。

昭和46年の通知から、「総合判断」という概念が導入されています。所有者の意思、性状などを勘案し、総合的に判断するとなっており、客観的な視点もあるように取れますが、他人の所有物にまで踏み込み、法を適用する事は難しいのです。

次に、リサイクルする場合も考慮しなければなりません。ここで幾つかの判例、通知を基に類推してみましょう。

・ おから事件(H11年、最高裁) おからは、リサイクルされる事が予測されるが、腐敗しやすい事、食用販売は数%である事から、産業廃棄物と認定。

・ 木材チップ事件(H16、水戸地裁) 木くずをチップ化する業者が無許可で処分料を取り、受入をおこなった。 本来、逆有償は廃棄物の範囲(価値が無い)であり、専ら物としても品種が限定されており、該当しない。しかし、循環型社会に向かう中で、価値ないし利益があるのではとの判断で無罪。

・ 逆有償での委託について(H17、通知) 売買代金が運搬費を上回り、結果費用が掛かる場合には、運送については、収集運搬の許可が必要。処理場に搬入後、処理法の対象外。

・ 廃棄物の疑いがあるものについて(H17、通知) 有価物として認められない限り、廃棄物として取り扱い。規制対象外とする為には市場性、品質、処理スキームなどの証明が必要。

これらの、判例、通知を勘案すると、総合判断説を前提としながらも、判例では適正利用や、品質などに重点を置いているが、通知では、より広く規制対象とする方向であるように思われます。

では、企業として、この廃棄物に対する判断をどの様に行うか、という事になります。現在、企業経営に於いては、コンプライアンスであるとか、リサイクルの推進であるとか、地球環境保全であるとか、社会的責任であるとかが、強く求められています。その上で、法的なリスクも回避しなくてはなりません。その為には、企業として廃棄物管理をおざなりにしないという事意外にありません。

多くの場合、直接の利益に貢献しない廃棄物管理に人員を当てる事は非常に少ないのですが、万一廃棄物処理法違反となった場合、企業側の負担は、決して小さくありません。最悪の場合、代表取締役の逮捕、社会的な制裁、罰金などが同時に降りかかってきます。罰金も最高1億円と高額です。

では、この様なトラブルを回避するためには、どうしたらいいのでしょうか。 廃棄物処理法は、非常に入り組んだ法律です。あちこちに引用の条文があり、法だけを素直に読んだだけでは、さっぱり分かりません。つまり、腰掛程度の意識では無理なのです。

専任者を設け、法の趣旨を理解する努力が必要です。その上で、個々の案件を一番理解している企業が、法に照らして、自分で判断していく以外に無いのかも知れません。 弊社としましても従来通り、可能な限りのアドバイス、情報提供を行っていきたいと思います。

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