リサイクル通信

2005年11月 【28号】

地球環境問題 地球誕生編 ・ 古代文明編・ 近代-現代編

今回は、地球環境問題を、時間的タイムスパンを変えながら考えてみたいとと思います。

地球環境問題 地球誕生編

最近、NHK の「地球大進化」と言う連続番組を少 なからず感動して見ていました。

それによると、地球 が太陽系の中で生命誕生可能な安定した大気を持っ たのは、太陽からの程よい距離と、地球が小惑星の衝 突等により偶然に程よい大きさになったことに起因 するというのです(それにより宇宙空間から大気の元 となるガスを程よく引きつけた)。

そしてその後、生 物の進化とそれを壊滅させる小惑星の衝突という天 変地異が起こりながらも、地球内部に逃げ込んだ微生 物が生き延び地球環境の安定に伴ってまた進化を続 けてきた―、といったことが迫力のある3D アニメと ナレーションで語られていました。

こうしてみると、生き物と地球環境の関係を地球史 的スパンでみてみると、生き物は地球進化に伴う地球 環境の激変(生命体に体にとっては環境問題)を何度 も繰り返し経験し、その度に進化していったことがわ かります。

さて最近のインド洋沖の大地震、パキスタン北部の 大地震、また世界いたるところでの火山爆発による環 境問題は、地球自身からみれば一種の生理現象でしょ う。しかし、その表面の薄い大気層の中にへばりつい ている?小生物群(あるいは人類だけ)が、己の生存 環境の維持というスタンスで捉えると、これが地球環 境問題となるわけです。

地球環境問題 ・ 古代文明編

視点を変えます。人間(人類)の立場で考えてみま しょう。 古代文明を地球環境問題との関係で捉えると、それ は壮大な環境破壊の上に成り立っていたことがわか ります。

文明の基本的衝動は都市建設と領土拡大で す。このためには膨大なエネルギーを必要とし、その エネルギー源は森林(木材)でした。覇権を争い、強 い国家は鉄を必要としました。その製錬のためには火 力が必要であり、火力源として森林(木材)を求めま した。

また古代の地中海諸国の文明に目をむけると、地中 海の制海権を確保するには海軍力が必要であり、競っ て森林を伐採し造船の建造競争を繰り返しました。こ のことにより、緑豊かな地中海沿岸も裸の山に変わ り、強い太陽と雨量の少なさにより再び緑がよみがえ ることはありませんでした。豊かな森林を背後に持た ない海は芳醇な海を作りだすことはできません。眩い までの地中海の青さと海岸の白さは、生態系にとって は貧相な光景ともいえます。

文明によっては、メソポタミヤ文明のように、都市 の造成や建物に膨大な焼きレンガを使用していたた め、その製造のために大量の森林(レバノン杉)を伐 採し続け、中東の森林を壊滅させてしまった文明もあ ります。メソポタミヤのギルガメッシュの叙事詩に は、伝説の王ギルガメッシュと森林の神フンババの戦 いが描かれており、その中で森の神フンババが倒され ることは、何か象徴的です。

中国の文明はというと、やはり鉄製錬のために大河 沿岸に広がっていたと思われる森林を伐採するとと もに、水田や畑作の拡大をすすめ、草原の草木までも 剥ぎ取った結果、雨量の少なさから砂漠化も進行し、 文明の崩壊へと繋がっていきました。

このようにみると、古代文明は地球資源の収奪=自 然環境の破壊によって栄え、破壊尽くし資源が枯渇し ていく過程で衰退・消えていったといえます。

地球環境問題 ・ 近代-現代編

18 世紀に産業革命がイギリスにおいて始まると、 エネルギーの消費量は急激に増大しました。この頃の エネルギー源も当初はやはり森林(木材)でした(石 炭もありました採掘に困難を伴いポピュラーではあ りませんでした)。

イギリスを始めドイツ等のヨーロ ッパは豊かな森林に覆われていましたが、イギリスを 震源とする産業革命の波がヨーロッパの森林を飲み 込んでいきました。イギリスに森林が少ないのは再生 力の弱い気候風土のなかで、森林伐採が急速に進んだ 結果です。またドイツと言えば、あの有名な深い森を 思い浮かべる方もおられますが、実は、以上の反省に 立ち、その後に植林し育てた森なのです。

ヨーロッパ の人たちが自然環境に対して敏感で保護育成に熱心 なのは、このような歴史的環境認識があるからでしょ う。

ともかく、最近の温暖化等の地球環境問題を聞くに つけ、我々は地球の表層数十キロメートルという薄い 大気のわずかな生存可能領域に生きているという事 実と、過去に人類が犯した環境破壊の教訓から、地球 環境問題の今日的本質について、想像力を逞しくして 描き、認識する必要があるように思われます。

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