地元の商工会議所の関係で、7月初旬にベトナムを訪問いたしました。今回は、リサイクルからちょっと外れて、ベトナム紀行をお届けしたいと思います。
今回の、ミッションのきっかけは、関 満博氏(一橋大学教授)のアジアに関する論文でした。その中で、アーノルド・トインビーのコメントが紹介されていました。台頭してくる中国に対抗するには、日本、朝鮮半島、ベトナムの連合しかないであろうというものであり、中国一辺倒のリスクが顕在化してきた現在に於いて、実に真実味を帯びて見えました。
もちろん相手は、日本最大の貿易相手国ですから、商売はしていかざるを得ませんが、一国集中のリスクは、回避すべき事柄です。そこで、今回、トインビーの提唱する3つの国(地域)の一つであるベトナムを訪問してきました。
入国した翌朝6時に集合し、散策へ。そして、30分程度で「ベンダイン市場」(写真)へ着きました。少々時間があったので「フォー2000」にて軽い朝食。いわゆるファーストフード店であり、フォーという現地のうどんや、カレーなどが、手軽に食べられます。味も香草が鼻につきますが、悪くありません。
その後、市場へ。中はアメ横の比ではなく、雑然としており、全体としては、5,000平米程でしょうか、3m幅位のメイン通りが数本あり、そこから1m弱の通路が碁盤の目の様に走っています。そしてその狭い路地(?)に店員もお客もいるのですから、雑然どころではありません。 その後、訪問先企業の入居している工業団地へと向かいました。インフラの整備は進んでおり、道路も十分な幅員で舗装されており、申し分ない仕上がりとなっていました。港湾も隣接しており、貿易拠点としても恵まれた立地といえます。
そして、今回の訪問先、ニッセイベトナムへ。この会社は、メガネフレームを主軸とするOEMメーカーであり、ブランド各社から注文を受け生産を行っている為、ニッセイの名前は通常目にすることはありませんが、数多くのメーカー品を手がけています。現地では、下請けの発想は無く、フルセット生産となっています。やはり、工業関係は遅れており、外注先が無いのが実情との事でした。
工場内には、単純なプレス機が数多く並んでおり、1工程ずつ、左から右へと手渡しで流していました。そして各工程に検査係りが置かれており、全品検査を行いながら次の工程へと回しています。印象としては、非常にキメの細かい単純作業を組み立てて全体をシステムとして稼動しているという感じでした。ワーカー(作業員)は、90%以上女性であり、離職率は3%程度との事でした。それでも2000人からいるのですから、毎月50人程度は入れ替えが発生する事になります。
しかし、設備に費用を掛けずに、マンパワーでカバーする方式であり、ローテクな機械ゆえに人の入れ替えにも対応しやすいという事になります。ワーカーの賃金は、月60ドル程度であり、時給に換算すると30円程度となります。それでも、採用条件は高校卒業以上となっており、質の悪い人材ではありません。一方で、事務職もおり、こちらは大学卒業以上で英語が条件となっているそうです。取引先には海外メーカーも多く、メール、電話でのやり取りもこなすとの事でした。
総括として、今回のミッションで、ベトナムに進出している日本企業のベトナムに対する評価が妥当である事が、確認されたと思います。日本の企業が、進出先としてベトナムを評価した点は以下の通りです。
国情が安定している。8000万人の人口があり、将来的には大きな市場になる。労働者の質が高い。ASEANの中心に位置し、ロジスティクスに優れている。中国集中へのリスクヘッジ。単一民族である。治安が良い。 さて、今回はスクラップ関係はあまり見かけませんでした。スクラップが産業となるには、まだ時間が掛かりそうです。 しかし、今後において、ベトナム人の勤勉な国民性を鑑みると、将来のビジネスパートナーとして十分な素質を持った国であると思われますし、今後大きく発展する事と思います。