リサイクル通信

2006年7月 【24号】

中国―このごろ(経済編)/ (政治・文化)

中国―このごろ(経済編)

我々の扱っている鉄スクラップの相場は今年ピークの四月から急激に下がり始め、現在は底値圏を探りつつも緩やかな下げ圧力が働いる状況です。

基本的に鉄スクラップは、世界的資源循環の視点で捉えれば、先進国の固定資本劣化部分の再資源化商品であり、固定資本形成途上国も参加した国際マーケットの需給関係の中で価格が形成され物が流れています。

そしてこの市場に大きな影響力をもって参加し始めたのがご存知のように成長著しい中国です。ここ二・三年の鉄スクラップ価格の大きな変動の繰り返しは、中国の成長に伴う素材実需と思惑投機、そして沈静化のための直接・間接の国家統制といった三つの要因によって引き起されたと言えます。 話しは変わります。

ここに、財務省発表の直近5月の貿易統計速報があります。地域(国)別の輸出入額の規模(金額)を見てみますと中国は一兆五千五百億円、最も取引額の大きい米国が一兆六千五百億円であり、ほぼ同程度の貿易取引額にまで、中国との関係は強まっております。

今後の中国の成長を考えれば、生産拠点としてだけでなく、市場として益々拡大していく 中国―このごろ(経済編) ことが予想され、経済的に米国と同等それ以上の重要な国となることは確実でしょう。 ただ、前年同月と比べると著しい変化が見られます。それは急激に伸びてきた輸出にブレーキがかかったことです。

昨年同月の伸び率(前年同月比)は二一・五%の伸びを示したものが、今年五月は前年同月比0%と伸率が停止しました。輸出金額の大きい一般機械、電気機器などが軒並みマイナスとなっており、中国国内の建設ラッシュ抑制による建設機械類の輸出減少や製品の現地生産への切替が進んでいることが要因でしょう。

一方輸入について見ると、昨年五月が十一・八%の伸びに対し、今年五月は十九・0%と拡大しております。ただ、我々業界にとっては気になる数字があります。原料製品項目の鉄鋼の輸入量が昨年五月では九万五千トンであったものが、今年五月では二五万七千トンと二・七倍に急速に拡大していることです。

固定資本形成の途上であるはずの中国において鉄鋼等の製品が輸出に回っているということは、供給過剰の状態にあることを示しています。一昨年来の需要拡大を見越しての投機的生産設備の急増が供給過剰をもたらし、輸出ドライブがかかっているものと思われます。

ここで話が一巡し、冒頭の鉄スクラップの価格下落にもどります。つまり、素材製品等は、中国の実需による成長以上に投機的資金が、素材生産設備や原材料調達に向かい、その反動として、中国国内に供給過剰が出現、一部素材製品については、需要側ではなく供給側に回って、国際価格の下落を誘導していると言うことです。

前述しましたように、日本はこれから米国経済同様、中国経済の影響をも、より多く受けることとなります。それも米国のように政治的・経済的に社会フレームが安定している国家とはまだ言いがたい国です。中国の動向は今後益々重みを増してきます

中国―このごろ(政治・文化)

今は小康状態のようでが、中国の反日運動の高まりとそれを容認する中国政府をめぐり、その意図について色々な議論がなされましたが、ここではちょっと違ったアプローチ。

中国―このごろ(政治・文化編) 学生のころの世界史の記憶をたどってみると、中国(荒っぽく漢民族と同義とします)が歴史の表舞台から退いたのは十九世紀から二十世紀であり、それまでは、紀元前より面々と政治的にも、文化的にも世界史の表舞台で影響力を及ぼしてきました。

特に、東アジアにおいては一時、モンゴル民族の侵略を受けましたが、その後も圧倒的な覇者でありつづけたことに変わりありません。一方の西欧においては、めまぐるしく覇者が交代し、十八世紀の産業革命の力を借りて、アングロサクソンが世界の覇権を完全に制したのはこの二十世紀になってです。

それを考えると、中国の潜在的国家パワーは不気味です。民族を云々することはナンセンスかもしれませんが、漢民族に覇者としての、中華思想の遺伝子が継承されているとしたら、経済的パワーをもった彼らをして、その遺伝子を目覚めさせるかもしれません。

最近の中国のやや不遜?ともとれる、外交も含めた動きをみると得体の知れぬ不安を感じます。 歴史学者であるトインビーが、アジアで中国と対等に渡り合える民族はいないが連携してあたれば可能となる民族がいる。それは日本人と韓国人とベトナム人だと言ったそうです。人間にしても国家にしても自覚を促すには力も必要です。中国に対するアジア諸国の連携強化は、アジアの未来に向けた戦略的課題です。

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