サーマルリカバリーとは
今まで、私たちは、可燃物やプラスチックを燃やし、熱回収する事を、サーマルリサイクルと言ってきました。
しかし、最近、それはどうもおかしいという事になってきました。それは、熱というものは熱い方から冷たい方に流れ、循環しないからです。
ですから回収すると言うことは、リサイクル(循環)では無く、リカバリー(回収)が正しいという事になってきました。 それでは、環境問題で進んでいる、EUで行っている分類は、どうなっているのでしょうか。
① メカニカルリサイクル 化学反応を伴わないリサイクルであり、日本で言う所の、ケミカルリサイクルや、マテリアルリサイクルを言います。物理的リサイクルとして定義されています。
② フィードストックリカバリー 原料として回収する方法。
③ サーマルリカバリー 熱回収。
この分類を見ていくと、物理レベル、分子レベル、熱分解反応(原子レベ サーマルリカバリーとは ル)によるものを分けて考えています。特にサーマルリカバリーについては、ゴミ焼却場と住宅が、日本の様に離れていないため、発電だけではなく、熱回収による給湯も行われており、双方の回収率は七十五パーセント以上となっています。
ドイツの場合には、七十五パーセント以上のエネルギー回収が出来なければ、焼却禁止という厳しい規制があります。ちなみに、日本の場合は、平均十パーセント程度です。
火力発電所ですら四十パーセント程度の回収率であり、温排水として海に捨てられています。しかし、近年、廃プラスチックの処理において、ガス化技術を応用した設備が建設されています。
まだ、受入条件等で難しい部分がありますが、日本で発生する廃プラスチックは、コークス化、高炉還元剤、セメント焼成用燃料で全量、処理可能とも言われており、回収率は格段に向上すると思われます。
鉄スクラップ輸出
現在、日本からアジア各国に対し、盛んに輸出が行われています。年間で六百八十万トンが輸出され、その内の約四十一パーセントが中国向けとなっています。
次いで韓国で約三十九パーセント、台湾の約十四パーセントとなっています。これほど大きな数字となっていった背景には、公共工事の減少による国内電炉の減産があります。
以前は、スクラップディーラーと電炉は「車の両輪」と言われていたのですが、〇一年にメーカーの減産が進行し、マーケット価格は大きく下がりました。
同時に、メーカーの閉鎖、合併など再編も起こっていました。この当時のメーカーの購買姿勢は、「余りものに値無し」と守勢に徹しており、「車の両輪」の理論は吹き飛んでしまいました。そして、スクラップディーラーは海外へと視線を移し、徐々に輸出を拡大していきました。その推移の中で、価格の決定要因も、国内の需給のみから、国内需給・国際価格連動へと変化していきました。
現在でも関東からの船積みは、国内移送も含めると、発生量の二十六〜二十七パーセントに相当し、マーケットとして無視できる数量ではありません。 鉄スクラップ輸出 さて、それでは、関東での船積み状況ですが、現在、十箇所の港から積み出されています。大きく分けると千葉・茨城地区で四万トン弱、お台場近辺で七万トン、川崎・横浜方面で八万トンと毎月二十万トン弱が船に積まれています。
その内の六十〜七十五パーセントが輸出となっています。船の大きさでは、千トン位のものから、四千トンクラスが主流となっています。アメリカなどは三万トンクラスなどの大型船が多いのですが、日本の場合、水深の問題と、岸壁に保管スペースが無いなどの問題により、比較的小型の船が主流となっています。数量的には、港湾の能力からみてもそろそろ限界に近いと思われます。国際競争力のある港湾整備が望まれる所です。
鉄スクラップ先物上場
部商品取引所に鉄スクラップ先物の上場が申請されました。鉄スクラップは、国際価格の変動や、国内需給の変化、季節要因等により大きく変動しており、上場との流れになったようです。今後、品質の安定が課題となると思われます。