リサイクル通信

2004年12月 【17号】

鉄が足らない?? / カスケードリサイクル /

鉄が足らない??

今年の秋から、自動車メーカーでは 鋼板不足により、生産ラインの停止と のニュースが新聞紙上に躍りました。 造船、建機関係でも鉄板の不足が伝え られています。

一方、建設関連からは、 鋼材不足で建設中断などという話は 聞こえて来ません。なんとも不思議な 話です。高炉メーカー各社は、(とい っても現在は2社ですが)高水準の生 産を続けており、日本全体でも今年度 の推定で、過去最高に迫る一億一千万 トンの生産を続けているのです。

その中で、品不足といった事態は、 鉄の品質に起因しています。自動車鋼 板などは、車種ごとに細かく成分仕様 が決められていて、非常に生産性が悪 いのです。

ですから、ある自動車メー カーが高炉メーカーに対して板の種 類を限定する(減らす)といった措置 を取りましたが、これは、生産性を上 げて、納品してくれという事に直結し ているのです。造船各社もバックオー ダーを数年分抱えていると言われお り、当面製造レベルは高水準を維持す ると見られ、鋼板の確保が重要となっ ています。

ところが、建設関係では不 足は伝えられていません。これは、中 国などから比較的低品質な鉄板等 (それでも十分なのですが)が輸入さ れている事、流通各社が春先から秋需 をにらんで在庫を積み増したが、思っ たより盛り上がらず、在庫を放出して いる事によります。

それでも余剰感は あまり無く、横ばい推移となっていま す。全体的に眺めてみると、高品位品 は、極端な品不足、低級品(汎用品) はバランスといった所でしょうか。ス クラップについても国際価格に連動 しており、今は高くなりすぎた国内価 格の調整局面といった感じではない でしょうか。

カスケードリサイクル

あまり、聞きなれない言葉ですが、 リサイクルの種類の中にカスケード リサイクルという言葉があります。代 表的な物として、ペットボトルなどが あります。

オープンリサイクルとも言 われておりますが、要は、同じものに 戻らない、他の姿に変えてまた活躍す るといったものです。例えばペットボ トルの場合、使い終わると、次の段階 ではハンガーや、繊維などに再生され、 その次の段階では、熱源として(サー マルリサイクル)利用され完結します。

なにやら、日本でも流行した(?)デ フレスパイラルの様ですが、リサイク ルとしては、あまり優等生とは言えそ うにありません。しかし、直接埋め立 てをしてしまうよりはいいと思いま す。 一方、アルミ缶などは、再びアルミ 缶に戻す事が出来、実際にその様にリ サイクルされています。これをクロー ズドリサイクルと言います。

また、ア ルミ缶の場合、商品価値も高く、消費 者の方々も我々リサイクル業者に売 却出来る為、回収率も高いのです。さ らに再生の為のエネルギーが三パー セント程度と、少なくて済みます。だ からこそアルミ缶はリサイクルの優 等生と言われているのです。

さて、廃棄物(もともとは製品)の 中には、多品種の混合した物も多く、 カスケードリサイクルといった手法 に頼らなくてはならないものも沢山 あります。我々の身の回りにある大半 の物が、複数の素材から出来ています。 例えば、電話機などはどうでしょう か?外側だけ見ても、3種類以上のプ ラスチックが使われていそうです。こ れを分別するには、熟練した人が一つ 一つ分解・選別しなければなりま せん。これはとても現実的とは言 えません。

しかし、どのプラスチ ックも石油製品であり、燃やせば エネルギーとなります。これなら プラスチックだけに分別すれば利 用出来ます。本来は、メーカー側 で素材の統一を図ればいいのです が、どうしても商品の性能や美観 を優先してしまいます。それは 我々消費者が性能・美観を優先し てしまうからです。車のバンパー なども以前は、黒いウレタンバン パーでしたが、今ではすっかり見 かけなくなりました。塗装が著し くリサイクルを阻害するのですが、 どうしても美観優先となってしま う様です。

実は、リサイクルの優 等生と言われているアルミ缶でさ え、表面の塗装が国産の物は厚く (重ね刷りしてあり)リサイクル の阻害要因となっているのです。 我々も、性能・美観を優先すべ き部分(オープンリサイクル)と、 消耗品の様に割り切る部分(クロ ーズドリサイクル)とにきちんと 区別して考える必要があると思い ます。そして上手にライフスタイ ルの中に組み入れていく事が必要 なのではないでしょうか。

今年は、企業の社会的責任が 厳しく問われた年でもあり ました。
弊社もより一層気を 引き締め、皆様と共に歩んで 行きたいと思います。

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