経済産業省産業構造審議会・環 境部会が、9月17日に開いた廃 棄物・リサイクル小委員会でまと めた廃棄物に関するガイドライン (案)では、平成一〇年に策定さ れた「産廃排出事業者適正処理ガ イドライン」に「廃棄物・リサイ クルガバナンス」という新しい概 念が加味されて全面改定が行われ ました。
これは、廃棄物・リサイクル処 理を廻って生じるあらゆる事が、 企業経営リスクに深く関ってくる ことから、従来の廃棄物マネジメ ントの枠組みを超えて、正に企業 統治といった視点から廃棄物の取 り扱いを再構築する必要があるか らでしょう。 企業活動により発生する産業廃 棄物の不適正処理(極端な場合は 不法投棄等)は、廃棄物排出者等 への法的制裁強化というかたちで 進められてきましたが、企業経営の 活動面よりみた、より本質的な問題 は、これら違反が社会的制裁をも伴 うということでしょう。
そしてこの ことの方が、企業経営においては重 要な意味をもつということです。 今日の消費者の購買行動(判断) は、今までのように価格の安さや商 品・サービスの良し悪しだけではな く、その上位の価値判断に、企業の 社会的責任(CSR)をおくように なりました(既に投資レベルではS RI〈社会的責任投資〉という言葉 が市民権を得ています)。このよう な消費者意識の高まりの中にあっ ては、廃棄物処理法違反に対する 法的制裁は、社会的制裁へと拡大 する危険を内包していえると言え ます。
万が一、このリスクが顕在 化した場合は、それまで築き上げ てきた企業の信頼、企業ブランド を喪失させてしまうかも知れませ ん。否、それ以上に、その企業の 強みであったブランド価値は、む しろ負のブランドとして、市場に は逆効果となって作用するでしょ う。
廃棄物をコストのかかる厄介者 として捉えるかぎり、経営として のこのリスクは残るでしょう。産 構審・環境部会が唱える「廃棄物・ リサイクルガバナンス」の構築が 企業にとっては益々重要なテーマ となってきました。
雑談「江戸のリサイクルシステム」
江戸は当時、世界有数の大都 市(人口約百万人)でありながら 最も衛生的で美しい都市を実現し ていたとのこと。そしてそれを支 えていたのが屎尿の流通シ ステム(リサイクルシステ ム)だったそうです。 当時大都市である江戸庶 民の屎尿は、仲買や問屋を 通じて近郊農家が買い求め ました。大消費地である江 戸に向けての農作物の生産 性を高めるには、多量の屎 尿が必要でした。聞くとこ ろによると屎尿にも出処に よって値に違いがあったら しく、熊さん寅さんの長屋 の雪隠の屎尿は安く、豪商 等のそれは高価?だったそ うです。このリサイクルシ ステムのおかげで、当時の 江戸の町や川はもとより、 江戸湾も美しくきれいであ ったわけです(だから江戸 前寿司が食べられた?)。ち なみに当時の大都市である ロンドンのテムズ川は悪臭 に包まれ、パリの街では壷 にためておいた屎尿を窓か ら捨てる習慣もあったとか。
江戸のシステムが光りま す。