最近の経済動向を概観すると
内閣府発表の景気動向指数を今年 一月の速報値まで含めると先行指標 で五ヶ月連続で五○%を上回り、一致 指数では九ヶ月連続で景気境目の五 ○%を上回っています。
雇用情勢等依 然として厳しいものの、世界的な景気 回復基調のもと、輸出動向、設備投資 動向等、好調なマクロ経済統計指標が 相次ぎ、また、個別企業レベルでもデ ジタル関連、素材関連を中心に収益動 向が急速な改善を示しております。
また、それを見越して海外マネーも日本 株に向い、このところの株価上昇を演 じている構図も読み取れます。景気の 歩みは着実に回復に向っているよう です。
我々の鉄スクラップ業界はと言う と、海外市場、特に中国市場の旺盛な 需要に引っ張られ、今年に入って急激な価格上昇が起こっております。
ただ 中国国内では、政府による高値抑制の 動きが出始め、また国内では、ここに きて電炉メーカーが価格を若干下げ る等、価格調整局面を迎えつつあるよ うにもみえます。ただ、アジアを始め スクラップの国際市場では実質的な 需要圧力がはたらいており、極端な下 落に転ずるような、これといった要因 はまだ見あたりません。
ただ、「山高 ければ谷深し」の諺もあり、理屈を超 えた空恐ろしさをも感じます。
一般廃棄物の広域的処理について
最近、消費財メーカー等で自社開発 した製品は、使用価値消滅後のリサイ クル段階までも、責任をもって管理・ フォローしていこうとする動きが活 発になってきたように見受けられます。
その背景にあるのは、企業の社会的責任(CSR)の構成要素でもある 環境への配慮に対し、企業姿勢を明確 にし、消費者の指示を得ようとする動 きであり、さらには、最近話題となっ ている社会的責任投資(SRI)の考え が、機関投資家等の投資判断材料にも なってきていることから、企業として、 より戦略的なCSR を目指そうする動 きの現れではないかとも思われます。
ところで、昨年6月の廃棄物処理法 の一部改正において、「一般廃棄物の 広域的処理に係わる特例」として、一 般廃棄物の広域的な処理を行おうと するものは、環境大臣の認定を受け、 (一般廃棄物収集運搬業、一般廃棄物 処理業の許可がなくても)これが行え るとされました。
これを受け、同年一 二月の改正廃棄物処理法施行規則で、 「広域的処理に係わる特例の対象と なる一般廃棄物」としての基準が設け られ、具体的品目については、別途環 境大臣の定めるものとされました。
このような法改正の動きは、前述した 消費財メーカーのように、自社製品の 廃棄処理までを管理・フォローしよう とする企業にとっては、環境戦略スキ ームが立て易くなったとも言えます。
ただ、ここで問題となるのが、施行 規則改正後の特例の対象となる具体 的一般廃棄物が、同規則改正前の広域 再生利用指定制度において対象とな っていた廃スプリングマットと廃パ ーソナルコンピューター及び廃密閉 型蓄電池のみで、目新しい品目が追加 されているわけではないということ です(わたしの読み込み不足・・?)。
今後、色々な企業が、自らの責任に おいて、自社ブランド商品をリサイク ルする等の動きが進むと思われます。 手続等も含めた法の運用面において、 是非とも企業の、この社会的な動きを 阻害することなきようお願いしたい ものです。 また、物流面を例にとれば、一般家 庭から出る使用済み物品等、明らかに 運搬上危険でないものについては、そ の物品の広域的広がりより見て、既存 の宅急便等の使い勝手のよい流通手 段も積極的に利用できる等、大胆な道 筋も欲しいものです。
これにより、自治体に持込まれてい た一般廃棄物の一部は自治体の手か ら離れ、市場経済の中に徐々に組み込 まれることになり市場が自ら管理す る物品となります。
サイクル料等の 負担(費用)が発生するかも知れませ んが、市場原理の中に取り込まれるこ とにより、自治体の実質的処理コスト (それは税金という形で我々が負担 しているものですが)よりは改善する ことも期待されます。
【環境キーワード】
LCA てなに?
最近、製品と環境との係わりで使 用される言葉( Life Cycle Assessment)で、製品の原材料の採集 ↓部品製造・製品生産↓流通↓販売 ↓使用・廃棄に至る一連の製品ライ フサイクルを通じて環境への負荷を 比較検討・評価する手法。所謂、環 境に優しい製品作りへのアプローチ