いよいよ本格的な冬の到来とな りましたが、鉄の相場は益々ヒー トアップしています。ステンレス、 アルミと他の素材関係も上昇して おり、デフレとは程遠い動きに違 和感もありながらの年末となりま した。
鉄スクラップ市況
今年もいよいよ押し詰まってま いりました。ここでこの一年の動 きを振り返ってみたいと思います。
昨年から続いている価格上昇は、 年を越えても相変わらずの上昇局 面であり、三月末の発生期を迎え、 漸く下げ局面となりました。
しか しそれも束の間であり、七月から 再び上昇局面となり、現在に至っ ています。
関東圏での指標として東京製鐵 ㈱宇都宮工場がありますが、この 一年の値動きは、二十回におよび この中で値上げは十三回となって います。十二月十日現在、年初価 格と比べて二十三パーセントアッ プとなっています。
この値上がり の原因は、中 りは、中国を含めた東南アジアで の需要によるものです。
また、台 湾、韓国といった大手需要国でも 鉄スクラップが不足しており、日 本から大量に輸出されています。 その為、為替が円高に振れている にも関わらず、スクラップ価格の 上昇が続いています。
中国などで は、急激な経済成長に素材供給が 追いつかず、操業を停止している メーカーも有るようです。 また、その影響としてスクラッ プ原料を輸送する船も不足してお り、船舶マーケットは活況を呈し ており、船自体の製造も大量発注 が計画されていますが、建造が間 に合わず、数年先まで落ち着かな いのではないかとの予測もありま す。
鉄スクラップから生産される 丸棒等は国内商品ですが、スクラ ップ自体はすでに国際商品として 世界各地で動いています。アメリ カ等は一船、三万トン程度の単位 で輸出されており、中国等の需要 国でもそれに対する受け入れ態勢 を整えています。
それに比べ、日 本の港湾能力は貧弱であり、四千 トン程度が主流といったありさま です。一般貨物でも、アメリカの 船が日本を素通りし、上海に陸揚 げし、再度日本に運ぶ事も珍しく 無いようです。高速道路建設もい いですが、国際社会の中での日本 のポジションも戦略的に考えてい かないとどんどん後れていってし まいます。
もう既に空港では負け ているのですから。 今、我々の業界団体である、(社) 日本鉄リサイクル工業会でも輸出 ポートの建設を国に働きかけてい ます。
世界的な需要地域であるア ジアの中の一国として国際競争力 が落ちない内に、一刻も早い整備 が望まれる所です。
アジア圏でのリサ イクル
現在、鉄スクラップは国際商品 として広く流通しています が、それ以外にも、中国等の 安い人件費等を背景に機械 解体物等が日本各地から輸 出されています。
解体分別後 の商品(鉄、銅、アルミ等) は国際価格で取引される為、 日本の価格と変わりません。 現在、中国国内での受け入れ 態勢も整備されつつあり、屋 内ヤード、油水分離等整備が 進んでおり、品物のリサイク ル率もさることながら、環境 面での整備も進んでいる様 です。
早稲田大学の永田先生と いう環境面で有名な方がお りますが、やはりバーゼル条 約を越えた所での廃棄物処 理の提案をなさっています。
各国がそれぞれ得意な手法 を用い、如何に無害化、再資 源化出来るかを最重要視し ての提案なのです。すでにE Uではこのテーマに取り組 んでいます。今後の動向に注 目したい所です。
今年も一年間大変お世話になり
ました。来年も皆様にとってよ
りよい年でありますように。